あなたは「勇者タイプ」? RPGキャラでわかる、いざという時に強い暮らし
防災って大事。...なのに、腰が重い。
食料や水の備蓄、家具の固定、ハザードマップの確認。「いつかやろう」と思いながら、つい後回しになりがちなのが「防災」です。
そんな私が、取材の場で思わず前のめりになったのが、自然災害をはじめ、日常に潜む困難等を含めた幅広いリスクを、しなやかに乗り越える力(レジリエンス)を獲得するための情報プラットフォーム「レジリエントタイムズ」と、その入口となる「レジリエントライフ診断」だ。31問の簡単な質問に答えると、自身のレジリエンス力が見える化され、結果は「勇者」「魔法使い」などRPGのキャラクターで返ってくる。
筆者も取材中に診断に初挑戦。結果は──「勇者」。ただしそれは"頑張り過ぎちゃう勇者"かもしれない? 褒められているようで、妙に刺さる。この診断の面白さは、当たる・当たらない、で終わらず「次に何をすれば良いか」まで示してくれることにあった。
この記事、ざっくりいうと?
- レジリエンス=困難をしなやかに乗り越える力。災害時だけではなく、日常のあらゆる場面で役立つ力!
- 簡単な31問の質問に答えるだけで、あなたのレジリエンス力を簡単診断
- 診断結果は「勇者」「魔法使い」などの8つRPGキャラで判定。今日できる最初の一歩まで見えてくる。
防災が"自分ごと"になりにくいのは、自然なこと
レジリエントタイムズの背景にあるのは「日本は災害大国であり、同時に社会課題大国でもある」という危機感だ。気候変動による豪雨や浸水、熱中症。少子高齢化、エネルギー自給率、地方の課題......。複数の困難が掛け算で襲ってくる時代に、暮らしのレジリエンスを底上げしたい──それが出発点だという。
──こんなにも災害が多いのに、なぜ「防災」は生活者に広がらないのか?
プロジェクトマネージャーを務める吉田さんは理由を端的にこう説明する。
「自分が実際の災害にあったことがないと、どうしても自分ごと化できないんです。平和な日常が続く中では、将来の不確かなリスクへの備えよりも、今の生活を充実させることに時間や費用を優先したくなるのは、自然な心情かもしれません 」。なるほど、経験がないことをイメージしにくいというのは、人間として当然のことかもしれない。だからこそそれを"責める"のではなく「言い方を変えないと」と続ける。
そこで提案されるのが、「防災」ではなく「レジリエンス」という言葉だ。レジリエンスとは「しなやかさ」とも訳される言葉で、ストレスや逆境、困難な状況などに直面した際に、しなやかに立ち直り適応する「精神的回復力」や「弾力性」のことを指す。それを災害だけではなく、人生で起こる予期せぬ困難も含めて、しなやかに乗り越える"暮らしの基礎体力"として捉え直す。
たしかに「自然災害」は大きなリスクではあるが発生頻度は低い。一方、日々の生活を起点に考えると、健康や人間関係、交通事故など、もっと身近で頻度も高いリスクも存在している。つまり、私たちは日々「大小さまざまな困難」に囲まれて生きているのだ。
右:博報堂 ストラテジックプラニング局 マーケティングプラニングディレクター/テックディレクター 明官達郎さん
「レジリエンス」と聞いて、ピンと来ますか?
取材中、逆にこんな質問を投げかけられた。「ぶっちゃけ、レジリエンスって言葉どう思います?」
「頭では分かるけど、体感までは落ちていない概念」だと筆者は答えた。吉田さんも「グローバルでは大きいイシューになっている一方で、生活者が普通に使う言葉にはなっていない。だから広げていきたい」とうなずく。
面白かったのは、「実は日本には、レジリエンスに通じる文化が根付いている」という視点だ。
「戦後の復興、高度経済成長を成し遂げたのもすごいレジリエンスだし、柔道や合気道も相手の力を受け流して相手を制する文化。『サステナビリティ』は海外から入ってきた言葉だが、日本ならではの経験に根差した『レジリエンス』は世界に提案できる新たな価値観になり得ると思っている」。
さらに話は、心のメンテナンスにも及んだ。海外ではカウンセラーに日常的に相談することが当たり前になっている国もあるが、日本ではメンタルケアを受ける事への心理的ハードルがまだ高い側面がある。風邪をひかないように手洗いやうがいを当たり前にするように、心の健康を保っておくために心のメンテナンスをすることも重要だ。防災もメンタルも、極端に振れず、日常の中で整えていく文化を作れるか。そこにレジリエンスという言葉を置こうとしている。
取材中に診断してみた。結果は"頑張っちゃう勇者"?
そんなレジリエンスを獲得する入口となるのが、レジリエントライフ診断。31問ある質問内容は、備蓄や防災バッグだけでなく、情報の確かめ方、仕事と生活のバランス、地域との関わり方など幅広い。
例えば筆者は備蓄はあるほうだ。防災意識が高いからではなく、コストコでまとめ買いする生活動線が、結果的に備えになっていたからである。一方で、保険の見直しは正直後回し。地域コミュニティへの信頼を問われる設問には迷いも出た。
最後まで答え終えると、結果は「勇者」。診断結果は8つのRPGのキャラクター中から提示されるという。
ここで終わりなら、よくある「性格診断」っぽいが、刺さったのは次の一文だ。
――「周囲に助けを求めるのは、あまり上手ではない傾向」
思わず「当たってます。抱え込みがちかも」と口にした。しんどい時ほど「助けて」が言えない。なんとか自分で乗り切ろうとする。吉田さんは"勇者の落とし穴"を教えてくれた。
「助けてって言えない人は勇者っぽい。でも本当の意味でレジリエンスが高いかというと、伸びしろがあるんです。抱えられなくなってポキッと折れる可能性もあるから」
「勇者=最強」ではない。強みがあるからこそ、弱点もはっきりと出やすい。この診断が面白いのは、褒めるだけでもなく怖がらせるだけでもなく、「伸びしろ」として見せてくれる点だった。
\ ここで1回診断してみよう /

記事は途中ですが、ぜひまずは診断を受けてみませんか?
あなたのレジリエンス力がわかります!
レジリエンスは「吸収力・適応力・変革力」の3つでできている
診断の核になるのは、レジリエンスを構成する3つの力だ。
- 吸収力:ダメージがあっても"気づかないくらい"受け止める(備蓄、保険、貯えなど)
- 適応力:状況の変化に合わせて判断し、動きを変える(情報の見極めなど)
- 変革力:困難をきっかけに、より良い状態へ作り変える(学び直しや関係性の再構築など)
この3つの高低の組み合わせ(2×2×2)で、8タイプに分類される。ただ、吉田さんはこう繰り返す。「これは勝ち負けではなく、大切なのは自分を知ること。勇者になればいいわけではなく、勇者は周りを助けてほしいし、苦手が分かった人は伸ばしてほしい」。
いままで、「防災」の話がされるときは備蓄の有無に焦点があたりがちだった。でもこの診断では、「地域とのつながり」や「めげない心」といった見えない資産もまるごと含んだ「レジリエンス」を教えてくれる。
ユーザ体験の設計をした藤本さんは、レジリエンスを知ることで日々の行動が実際に変わったという。「私自身、地域への信頼やつながりが本当に弱くて。でもこのPJを始めてから、避難所になりそうな小学校とかが自然と目に入るようになったり、いざというとき地域の備蓄に頼らずに済むよう、防災バッグの中身を改めて見直したり...。
レジリエンスは気持ちの持ちようの問題と勘違いされがちなんですが、『レジリエンスって何?』というのがこうして分解されると、具体的にやれることが見えてくる。だからアクションにつながる、というのを身をもって体験しています」
なぜRPG? ──「減点式の防災」をやめたかった
── なぜ診断をRPGに?
診断コンテンツの企画をした明官さんは、防災コンテンツを調べる中で「チェックリスト形式」のものが多いことに気づいたという。
「チェックリスト形式にしてしまうと『できてない自分』を突きつけられる。減点方式のように思ってしまう人も中にはいて、どうしても堅苦しくなっちゃう。そういう中でこのサービスとして作っていくときに、診断を気軽に受けていただくとか、楽しんでいただくみたいなところを結構大事にしたいなと思った時にRPGのキャラクターだった」
防災はただでさえ腰が重くなりがちなテーマだ。不安を煽る「脅し」のアプローチではなく、よりポップに楽しく使ってほしいというメッセージがこのキャラクターという設計には込められている
そして、もう一つ効いているのが「できてる自分」に気づける点だ。
「このプロジェクトに入るまでは防災なんてやったことがないって思っていたんです。ですがこのプロジェクトに入って理解を深めていく中で、自分が水を毎回2箱買っていることが、実は備蓄になっていたと気づき、すごく肯定された気持ちになったんです。肯定されると、他の備えもポジティブな気持ちでできるなというふうに思いました」
さらに今後はパーティ(チーム)診断の構想もあるという。全員が勇者でもチームワークがうまくいくとは限らない。人の話を聞いたり、全体をつなげたりするのは、魔法使いや賢者の方が得意な場面もある。多様な役割がいるから困難に強い――RPGの世界観は、その理解を助けてくれる。
診断の"次"が本番。「いまのあなたに合う情報」が届く
診断で分かるのはあくまで「現時点での能力」。でもゴールは「行動」だ。吉田さんは「能力を知るだけではなく、日々の行動にどう活かすかが重要」と語る。レジリエントタイムズでは、衣食住や学び、医療・ケア、情報など、9つの領域を定め、診断結果に合わせて情報を届ける設計を進めている。診断結果やライフステージなどをもとに「今あなたにマッチングした情報」を「新聞」のように届ける設計だという。半年後に受け直したら結果が変わるかもしれないし、ライフステージが変われば必要な情報も変わる。
今後は自治体連携で、住んでいる地域の支援情報や補助金など、探さないと見つからない情報を引っ張ってくる構想もある。目指す姿として「人生のあらゆる困難をサポートするライフタイムプラットフォーム」という言葉も出てきた。
サステナビリティの"土台"としてのレジリエンス
レジリエントライフ診断は、サストモのLINE公式アカウントからも遷移できるようになっている。吉田さんは、今回のサストモとの連携に込めた思いをこう話した。
「サステナブルな世界のベースになるのが、『レジリエンス』だと思っている」。困難を受け、適応し、回復し、次に備える。その繰り返しが、結果として「持続可能な世界」につながるという。
明官さんは、診断が「健康診断みたいに」定期的に受けられる文化を作りたいと言う。防災が一部の"意識高い人"のものではなく、暮らしのメンテナンスとしてカジュアルに語れるように。
レジリエンスは「何が起きても、なんとかなる」と思える心の余裕でもある。このサービスを通して、ひとりでも多くのひとが前向きな気持ちで日々を過ごせるようになってほしい。藤本さんは「レジリエントライフ診断」にそんな想いを込めている。
読了後のいまこそ、いちばん「自分ごと」になっているタイミングかもしれない。あなたの結果は、勇者?それとも魔法使い、賢者、村人......? 良い悪いではなく、伸びしろを見つけるために。まずは5分、診断してみませんか。
吉田さん、永松(取材者)、藤本さん、明官さん
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取材・文
永松 冬青
\ さっそくアクションしよう /

「レジリエントライフ診断」を受けて、自分のタイプと“伸びしろ”を見える化してみよう。結果を見たら、今日できる「最小の一歩」を1つだけ選んでみる。それだけで、備えは少し前に進む。

