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「それ、捨てる前に検索してみて」家にある''いらないもの''が、誰かの宝物になる理由

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画像:Adobe Stock

「こんなもの、売れるわけない」 そう思ってゴミ箱に捨ててしまったモノの中に、実は数千円、数万円の価値があるものが紛れているとしたら。

もちろん、すべての不要品が高額になるわけではありません。しかし、昔使っていたデジカメ、壊れたアクセサリーなど、私たちが「価値がない」と思い込んでいるモノに、新しい持ち主が見つかるケースは決して少なくないのです。

なぜ、捨てられるはずだったモノにそれほどの価値が生まれるのでしょうか。そして、モノを循環させることは私たちの未来にどうつながっていくのか。

8月8日の「リユースの日」を前に、Yahoo!オークションやYahoo!フリマを運営する社内のリユース担当チームに、サストモ編集部が直撃しました。

今回お話を伺ったメンバー

  • 奥山 友介:リユース業界に携わって15年のベテラン。前職での買取経験も豊富
  • 南方 暢朗:Yahoo!オークション担当10年以上のベテラン。現役高校生の娘を持つ父親でもある
  • 岸本 奈緒子:チームに異動して2年。自身も本や漫画の個人取引を日常的に楽しむ

若い世代を中心とした「レトロ・エモ需要」

── 今日はよろしくお願いします! さっそくですが、どの家庭の押し入れにも眠っていそうで、実は需要があるモノってありますか?

奥山

パッと思い浮かぶのは、昔の家電やデジタルカメラですね。私はいま36歳なのですが、20年ほど前に家族が使っていたピンクのメタリックなデジカメなんかは、需要が上がっています。他にも、MDプレーヤーやカセットウォークマンなどもそうですね。この仕事に就いていなければ、私も絶対に捨てていたと思います(笑)。

昔の家電やデジタルカメラ

── 20年前のデジカメですか! なぜ今そんなに人気なんですか?

奥山

主に若い世代の間で、SNSを中心にひとつの文化として定着しているんです。最新のスマホのように「すごく綺麗な写真」が撮れるわけではないのですが、ちょっと画質が粗かったり、色がボケたりしている質感に対して「エモい」という感覚を持たれているんですよね。音楽も同じで、サブスクで何でも聴ける時代にあえて古いカセットやレコードで聴くことが、1つの趣味として普及しています。

南方

私の高校生の娘も、まさにそれです(笑)。「お父さん、昔のiPhoneない? カメラない?」って聞いてくるんですよ。遊びに行くときに、ちゃんと写るか分からないようなデジカメやiPhoneを持ち出して、「これがいいの!」って写真を撮っています。「写ルンです」のリバイバルブームに近い感覚ですね。

あと、これは私個人のエピソードですが、家から古いMDが出てきて無性に聴きたくなったことがあって。Yahoo!オークションでデッキを探したら、昔の壊れたデッキをきれいに清掃・塗装して、説明書や保証までつけて新品同様にして売っている個人リセラーの方がいたんです。本来なら廃棄されるはずの古いデバイスが、人の手によって修理され、必要とする人の元へ届く。台数は少なくても、出せば売れる市場が確実にあります。

単品ではダメでも価値に変わる「まとめ売り」

── 「壊れているもの」や「古いもの」でも、工夫次第で売れるケースがあるんですね。イミテーション(模造品)のアクセサリーなども売れていると聞きました。

奥山

そうですね。壊れたアクセサリーや、電池の切れた腕時計なども「まとめ売り」にすることで大きな需要が生まれます。

南方

「こんなイミテーションのアクセサリーの山、日本じゃ誰も買わないんじゃないか」と思うようなものでも、まとめて束にすると結構な価格で落札されるんです。中には、うっかり本物の金が混ざっているのを期待して買う方もいるかもしれませんが(笑)。

アクセサリーの山

奥山

前職で買取の現場にいたときもよくあったのですが、腕時計が単品で持ち込まれた際、電池が切れていると「お値段がつけられない、10円ですね」となって、お客様も「じゃあ置いていくよ」と処分されがちなんです。でも、それをたくさん集めてオークションに出すと、電池交換や修理ができるノウハウを持った方が、喜んで買い取ってくれます。G-SHOCKや、スポーツブランドの安価なデジタル時計でも、集まれば価値になるんです。

岸本

出品する側としても、一つひとつ仕分けして出品するのは面倒ですからね。「不要品の処分」としてまとめて出せて、それが誰かの利益や新しい資源になる。お互いにメリットがある面白い仕組みだなと思います。

日本人が気づいていない「海外需要」

── 日本では「ボロボロだし需要がない」と思われているものが、海外で売れるケースもあるのでしょうか。

奥山

海外需要という意味では、古いテレビゲームも熱いですね。私の父が買ってくれた初代ポケモンのソフトなども、今の世界水準で見ると、箱付きであれば数万円規模のプレミア価格で取引されていたりします。海外の方からすると「昭和レトロ・90年代カルチャー」のコレクションとして集める感覚が強いようです。

古いテレビゲーム

南方

あとは自動車のパーツも海外人気が非常に高いです。多少の傷があっても、日本の有名メーカーのパーツやスポーツバージョンの外装(ウィングなど)は飛ぶように売れますね。過去には、コロナ禍のタイミングで自動車のマフラー内部に使われている「パラジウム」という貴金属の相場が高騰し、状態を問わずパーツを買っていくという現象もありました。素材そのものの価値が、相場とリンクして動いているんです。

こんなものまで!? 驚きの「トリビア枠」

──ほかにも意外な取引例はありますか?

南方

定番なところだと、高級酒の空き瓶や、iPhoneの箱もよく売れますね。本体を売るときに箱があると高く売れるので、箱だけを買い求める方がいるんです。

iPhoneの箱

岸本

他には、工作用の「解体した牛乳パック30枚セット」や、トイレットペーパーの芯、ワインコルクなども取引されています。

南方

牛乳パックやトイレットペーパーの芯は、夏休みの自由研究や工作の時期になると需要が高まることがありますよね。自分では捨ててしまいそうなものでも、必要な人にとっては「まとめて手に入る」こと自体に価値があるのだと思います。

奥山

企業の古いロゴが入ったノベルティのマグカップや、数十年前の『週刊少年ジャンプ』などの漫画雑誌もそうですね。当時のファッション雑誌や新聞なども、今の価格を見ると驚くほど値上がりしています。

── 昔の雑誌ですか?

奥山

はい。アパレルショップやデザイナーの方が「90年代リバイバル」のトレンドを調べる際、当時の生の情報が載っている雑誌を買い集めてデザインや値付けの参考にされているんです。私が昔持っていた雑誌も、今見たら当時の10倍以上の価格になっていて、普通に処分してしまったことを後悔しました(笑)。

驚きの高額取引――「高いからすごい」ではなく、誰かが価値を感じている

── 過去には「万博サーキュラー市場ミャク市!」において、什器や会場備品がオークションに出品されて、大型像など500万円以上で落札されたという驚きのエピソードもありましたよね。

奥山

当初は会場で使用されたプリンターや什器を中心とした出品でしたが、その後、会場で使用された設備や記念性の高いアイテムなどもラインアップに加わり、多くの反響をいただきました。

万博サーキュラー市場ミャク市

── そうした高額取引を聞くとワクワクしますが、リユースの本質としては「高いからすごい」というよりも、「誰かにとっての思い出や、文化的価値がそこに反映されている」ということですよね。

南方

まさにその通りです。ただ希少性があるというだけでなく、注目を浴びたものだったり、過去の車やバイクのカタログのように「新車当時の姿を知りたい」という誰かの情熱とマッチしたりすることで価値が生まれるんです。

「価値」は誰が決めるのか

── ネットリユース市場がここまで拡大したことで、モノの「価値の決まり方」そのものが変わってきたように感じます。

南方

昔であれば、新品で売っていない古いモノを買おうと思ったら、地元のリサイクルショップに行って「やっぱり無いな」で終わっていました。売りたい側も、近所のお店で断られたら捨てるしかなかった。でも、ネットという場ができたことで、グローバル規模でのマッチングが可能になりました。「売りたい人の思い」と「探している人の思い」が地域を超えて結びつく。我々が予期していなかったようなマッチングが毎日生まれています。

奥山

私は15年間リユース業界にいますが、ここ数年で個人間取引が一般に広く浸透したと肌で感じています。最近の若い子たちは、服を買う時点で「将来いくらで売れるか」を考えて購入しているんですよね。

南方

私の娘も、家にあるものを見て「これフリマアプリで売れるかな」と普通に言うんですよね。Yahoo!フリマのようなサービスを含めて、若い世代にとっては、モノを捨てる前に「誰かに使ってもらえるかも」と考えることが自然になってきているのだなと感じます。

モノを最後まで使い切るという選択

──これから「リユースに挑戦してみたいけれど、少しハードルが高いな」と感じている初心者の読者へ向けて、Yahoo!オークションやYahoo!フリマならではのアドバイスはありますか?

奥山

出品は全く難しくありません。例えばYahoo!フリマには、スマホで写真を撮るだけでAIが商品の情報を読み取り、商品説明文を自動で生成してくれる機能があります。まずは本や小物など、身近なものから試してみるのがおすすめです。

らくらくAI査定

岸本

私もよく本や漫画を売り買いするのですが、1つだけ実用的なアドバイスをするなら「厚み3cmの壁」を意識することです! 梱包したときの厚みが3cmを超えると、配送方法が変わって送料がグッと上がってしまうことがあります。「安く出品したのに、送料のせいで赤字になっちゃった......」というのは初心者あるあるなので、私は書店で本を買うときから「これは3cm以内に収まるかな?」と厚みをチェックしています(笑)。

南方

あとはYahoo!オークションならではの仕組みとして「1円出品」のドキドキ感もぜひ味わってほしいですね。ロレックスのような相場が確立されている商品であれば1円スタートでも、買い手の入札によって、相場価格まで競り上がることが期待できます。

岸本

「どんどん値段が上がっていくのが楽しい!」というエンタメ的な面白さもありますよね。ただ、あまりにもニッチすぎるレアモノだと、本当に1円で落札されてガッカリすることもあるので、その見極めもゲーム感覚で楽しんでいただけたらと思います(笑)。

捨てる前に、一度検索してみる。

── 最後に、この記事を読んでいる読者の方々へメッセージをお願いします。

奥山

昔は「せどり」のような安く仕入れて高く売る転売ビジネスというイメージを持たれていたリユースですが、今では健全な市場として定着しました。Yahoo!オークションも従来の40〜50代男性というコア層だけでなく、Yahoo!フリマとの連携によって若い方や女性など、新しいユーザーさんがどんどん増えています。

岸本

色々な出品キャンペーンも随時行っていますので、ぜひおトクに楽しんでいただきたいです。自分が「いらない」と思ったものが、世界のどこかで誰かの宝物になり、大事に引き継がれていく。お互いのメッセージのやり取りの中で、心が温まるような交流が生まれることもリユースの素敵なところです。

南方

結局のところ、「まずはやってみる」ことだと思います。出してみないと、そのモノにどんな価値があるのかは分かりません。

家にある身近なものを、ただ廃棄してしまうのではなく、次の必要な人へと橋渡しをする。新品をつくるよりも環境負荷を減らすことができるリユースは、私たちが今日から始められる身近なサステナビリティ活動です。

皆さんも部屋の片付けをしていて「これ、捨てちゃおうかな」と思ったら、ゴミ箱に入れる前に、まずはスマホで一度検索してみてください。あなたの家で眠っているものを、今この瞬間も、世界の誰かが欲しがっているかもしれません。

Yahoo!オークションTopics画像
リユースの日~リユース商品の魅力や事業者の取り組みをご紹介~

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