大切な本やデニムに宿った思いをつなぐリサイクル。バリューブックスとITONAMIの挑戦

大量生産・大量消費を前提とする社会が限界を迎えていることから、循環型の経済システムである「サーキュラーエコノミー」が注目されています。そうしたなかで注目したいのが、「サーキュラーエコノミーにおける情緒的な価値」です。

「年間◯トンの廃棄物が出ている」
「サーキュラーエコノミーの実現により◯兆円の経済効果がある」

......というように、サーキュラーエコノミーというテーマは数字で語られることが多いし、それも大事なこと。けれどきっと、数字からはこぼれ落ちてしまうこともあります。

たとえば、「◯トンの廃棄物」のなかには、あなたがアルバイトして貯めたお金で買った思い入れのあるデニムや、青春時代に何度も読んだ本もふくまれているかもしれません。なんらかの理由でそれらを捨てなければならなくなったとき、どんな思いが宿ったものだとしても、数にしてしまえば、0.000......1%の、「ごみ」になってしまうのです。

そんな、"モノに宿る思い"をすくいとり、次につなげる取り組みがあります。それが、「本だったノート」と「FUKKOKU」です。

本だったノート 」は、長野県上田市に本社を置く古本販売会社「バリューブックス」による、古紙回収にまわるはずだった本を利用してノートをつくる取り組み。当初はノベルティとして制作されましたが、多くの反響があったため、2022年8月に製品版のローンチを予定しています。

「本だったノート」(画像提供:バリューブックス)

FUKKOKU」 は、岡山県倉敷市に本社を置くデニムブランド「ITONAMI」による、デニム製品を全国から回収して糸の状態に戻し、新たなデニム生地をつくり、製品化する取り組み。2021年4月~6月にかけて全国約100カ所の拠点と協力し約4000本のデニムを回収。自社製品のカバーオールとイージーパンツだけでなく、回収拠点とのコラボ製品も続々リリースしています。

(画像提供:ITONAMI)

こうしたリサイクルによるものづくりは仕分けなどの手間がかかるため、製造コストも大きく、特に規模の大きくない企業にとって継続することは簡単なことではありません。また、単純にたくさんの廃棄物をリサイクルするだけなのであれば、"モノに宿る思い"にこだわる必要もなさそうです。

なぜバリューブックスとITONAMIは、このような取り組みをはじめたのか。そんな疑問についてたずねるために、ITONAMIの山脇耀平さんと、バリューブックスの中村和義さん、神谷周作さんに話を伺うと、サーキュラーエコノミーにおいて情緒的な価値を持つモノやサービスが持つ可能性がみえてきました。

山脇耀平さん......株式会社ITONAMI共同代表。1992年生まれ、兵庫県加古川市出身。大学在学中の2014年、実の弟とともに「EVERY DENIM(エブリデニム)」を立ち上げ。瀬戸内地域のデニム工場と直接連携し、オリジナル製品の企画販売をスタートする。2019年岡山県倉敷市児島に宿泊施設「DENIM HOSTEL float」をオープン。2020年ブランドを「ITONAM(イトナミ)」にリニューアル。
中村和義さん......バリューブックスの取締役副社長。ブックバスの立ち上げや無印良品との協業など、社外とのプロジェクトにも率先して取り組んでいる。
神谷周作さん......バリューブックスでは、編集業・新規事業・出版事業、広告運営などを担当。今夏9月に向けて、移動式書店「ブックバス」の下北沢常駐計画を準備中。

本の命を絶やさないための選択肢

── そもそもどうして、リサイクルの取り組みを始めようと?

神谷

バリューブックスには、だいたい1日に2万冊の本が送られてくるんです。それを買い取って、Amazonなどのプラットフォームや自社のECで販売をしてるんですが、実は送られてくるうちの半分、つまり約1万冊は値段がつかないような本で。その1万冊は、古紙回収にまわしているんですよ。

※取材はZoomで行いました

── 単純計算したら、1日1万冊が古紙回収にまわされていると......。

神谷

そうなんです。もちろん古紙回収は、本を再利用するための大事な仕組みだと思っているんですけどね...。

中村

以前「本が命を終えるとき--古紙回収のゆくえを追う-- 」という記事でも紹介したように、古紙回収された本が新しい紙へと生まれ変わる過程を追ったことがあるんです。

工場で、本が圧縮され、固められ、溶かされ......という光景に触れると、本好きとしてはどうしても罪悪感を感じてしまって。本としての命が絶たれているように感じちゃったんですよね。

中村

決して古紙回収に回すことが悪ではないけど、本の「命」を絶やさないでいられる選択肢をつくれないか、という思いがきっかけとなって生まれたのが、「本だったノート」の取り組みなんです。

「本だったノート」の素材となる、"古紙回収に回すはずだった本" たち(画像提供:バリューブックス)
"古紙回収に回すはずだった本" たちは大阪の製紙メーカー・山陽製紙に送られ、溶かす・混ぜるなどの工程を経て紙に生まれ変わります(画像提供:バリューブックス)
その後、長野県松本市にある藤原印刷にて「廃インク」を活用して印刷(画像提供:バリューブックス)

服を大切にしたいと思うきっかけに

山脇

「FUKKOKU」も、モノの命を絶やさないという意味では「本だったノート」と共通する部分があると思いますね。

「FUKKOKU」のプロジェクト名には、デニムを刻むという意味での「服刻」と、新たな持ち主の元で「思い出を刻む」という意味を重ねているんですよ。

ーー思い出を刻む。

山脇

デニムって長く使えるぶん、1本1本に持ち主の思い出が詰まってるんですね。そんなデニムが一堂に介して、あたらしく服として生まれ変わり、次の人のもとでまた思い出を刻んでいく......。

そういった背景を知ると、より一つの服を大事にしようと思えるはずですよね。僕らはこのプロジェクトに参加する人が、服を大切にしたいと思うきっかけをつくりたかったんです。

デニムブランド「ITONAMI」が2021年から取り組むプロジェクト。全国各地の拠点と協力し、個人から不要なデニムを回収・反毛し再生デニム生地をつくり、それを用いたITONAMIオリジナル製品ほか回収拠点とのコラボ製品を企画販売している。 ⁡ クリエイティブディレクターとしてHUG inc.のharu.さんが参画、FUKKOKU2022のメインビジュアルを制作。 https://ito-nami.com/pages/fukkoku

── 単に資源の再利用の取り組みということではなく、手にとった人が考えや行動を変えるきっかけになることを意識しているわけですか。

山脇

そうです。もちろん資源の再利用という意味でも、一定の役割があるプロジェクトだと思っています。だけど、生産側だけが一方的に「環境に配慮した商品をつくりました!」と届けるだけじゃ、おそらく生活者の考えや行動は変わっていかない。

だからこそ、「FUKKOKU」ではデニムを提供するということを通して、ものづくりに参加できるワクワク感を感じてもらいたい。そうすることで、できあがった服に対する特別感を感じてもらえるんじゃないかと考えたんですよ。

全国約100箇所の回収拠点から、当初の目標だった1000本を大きく上回る約4000本のデニムが回収されたそう(画像提供:ITONAMI)
回収されたデニムは粉砕され、針状の機具で毛羽立たせ、もとの綿状に戻される(画像提供:ITONAMI)
「FUKKOKU」でつくられたイージーパンツ(画像提供:ITONAMI)

命が宿ったモノを、次につなぐ

── お話を聞いていると、「本だったノート」と「FUKKOKU」は、どちらも前提として、デニムや本をただの物体ではないモノとして捉えていることがあるような気がします。

中村

そうですね。本ってすごく不思議な商材で。送っていただいた本を査定してみると、10円とか20円みたいな値段をつけざるを得ないときもある。そうすると、「俺の青春時代の思い出が詰まった本が、なんで10円なんだ!」って声が届くんですよ。

中村

そんな声に対して、「市場でこれくらいの値段だから、仕方ないでしょ」って気持ちもありつつ、「その気持ちわかるよ!」って言いたくなります(笑)

── バリューブックスのみなさんは、「本の命」という表現をたびたび使われていますね。つまり、本には命が宿っている。

神谷

はい。紙が本になった瞬間に、物体になにかが宿る気がして。そのなにかは、命といってもいいかもしれないですね。そんな本を古紙回収に回すと、ただの紙に再生される。それはリサイクルの観点ではすごく意味があるけど、本が宿した命は絶たれてしまうわけです。

僕らは、命が宿った本を、できる限り命を持ったままで送り出したい。思いが詰まった一冊をお客様から僕らに託してくださってるわけなので。

山脇

僕らも、デニムを回収に出してくださったお客さんから「昔お金なかったときに貯金して買った大事なデニムなんです」みたいな思い出を聞くことがあります。ずっと宝物のように持っていたデニムで、捨てるのは忍びないけど、次のものづくりにつながるのであれば......ということで提供してくださるんですね。

デニムは、そういう思いがこもったモノなので、その思いまできちんとお預かりしたいっていう気持ちは強く持っていますね。

── 「本だったノート」も「FUKKOKU」も、単にモノをリサイクルする取り組みというより、"モノに宿る思い"をつないでいく取り組みなのかもしれない。

中村

そう、輪廻転生みたいな感覚はちょっとあるかもしれない。「本が命を終えるとき」の記事の感想でも、「こうやって本が命を終えて、輪廻転生していくんですね」ってコメントはありました。「本だったノート」についても、「大切な本が生まれ変わってくれると嬉しいです」っていう声は届きますしね。

モノに宿る情緒的な価値を再編集する

神谷

輪廻転生ということともつながりますけど、モノが宿した命の残滓が残ったままのプロダクトをつくることが、すごく大事なんじゃないかなってすごく思ってます。本だったノートの最大の特徴って、「本だった記憶」が残ってることなんですよ。

── 本だった記憶?

神谷

どういうことかというと、紙に文字のカケラが残っているんですね。

紙に残る文字のカケラ(画像提供:バリューブックス)

神谷

本だったノートの抄紙をお願いしている山陽製紙さんに、テスト的に古本から再生紙をつくってもらったら「不良品ができちゃったかもしれない」って連絡があって。なにかと思ったら、紙に本の文字のカケラが混じっていたんです。

ノートの利便性を考えたら、文字のカケラはない方がいい。でも僕たちとしては、「本だったノート」はたくさんの本が古紙回収にまわっているという背景を知ってもらえるきっかけにしたかった。なので、本だった記憶を残して、その背景に思いを馳せてもらえたらと思い、そのままにしたんです。

山脇

「FUKKOKU」も、デニムだった記憶を残すような工夫がありますよ。生地を淡いブルーにしてるのは、まさにそのためなんです。

デニムから再生した糸ならではの独特のブルーが特徴(画像提供:ITONAMI)

山脇

回収したデニムの生地は、針状の機具で繊維の状態にほぐして綿の状態にしていくんですけど、その綿はもとのデニムの色が残ってるから薄いブルーになるんですよ。それを糸にして、あたらしいプロダクトにするんですけど、再び染色すればデニムを再生したものだとわからないようにすることもできます。

でも、あえて淡いブルーのままの色を残している。それは、前のデニムだった時の記憶を残すことで、新しく着る方にも「かつてデニムだったんだな」と思いを馳せて欲しいからなんです。言い換えると、品質だけじゃなくて情緒的な価値が大切なんですよね。

中村

ああ、それはすごく共感しますね。もちろんモノとして命をつないでいきたい気持ちもありますし、それだけじゃなく、情緒的価値は商品の付加価値にもなると思うので。文字のカケラを残さず、既存のノートと同じような状態でつくったら、ただの高い再生紙のノートになってしまいますからね。

山脇

そうですよね。洋服は情緒的価値が大事な世界なんで、そういう意味でももともとのモノが持つ記憶を残すことは、大きな価値になります。

神谷

デニムも本も、それ自体が物語性を持っているじゃないですか。だからこそ、編集的な視点でそのアイテムの物語を立ち上げることができれば、よりたくさんの人にメッセージを届けることができると思うんですよね。

── なるほど。単にモノをリサイクルしているというより、モノに宿る情緒的な価値を再編集して届ける取り組みが「本だったノート」や「FUKKOKU」であるということですね。

関わる人みんなが幸せじゃないと、いい取り組みも持続しない

── もうひとつ、「本だったノート」と「FUKKOKU」に共通するのが、ものづくりの過程でさまざまな企業や個人を巻き込みながら取り組んでいる、ということだと感じています。

「本だったノート」は藤原印刷や山陽製紙、イラストレーター・デザイナーの太田真紀さんといった紙のプロと、「FUKKOKU」は回収拠点の協力者や消費者とコミュニケーションをとりながら取り組んでらっしゃいますよね。

神谷

そうですね。そもそも僕らだけで課題は解決できないと思っているので。

「本だったノート」の制作にはさまざまな人が関わっている(画像提供:バリューブックス提供)

山脇

アパレル業界だと、リサイクル素材で自社製品をつくって、「だから自分たちはいい」みたいなブランディングのために取り組むことが多い印象があります。でもそんなふうに活動が自社だけにとどまってしまうと、大企業ならさておき、僕たちのような小さな企業では、世の中へのインパクトも小さくなってしまいますよね。

たとえば回収したデニムがITONAMIの製品にしかならないより、銭湯とコラボして羽織になったり、一次産業に従事する方とコラボしてファーマーズエプロンになったりしたほうが、たくさんの方に届くはずと思うんです。

東京・高円寺の銭湯小杉湯とコラボして誕生した、オリジナルの羽織(画像提供:ITONAMI)

山脇

関わる人が増えることも大事ですけど、僕はものづくりって、関わるすべての人にとって幸せな状態じゃないと持続しないと思うんです。デニムを提供する人、回収する人、つくる人......それぞれがやりたいと思える取り組みじゃないと継続できない。

神谷

「いい取り組みだよね」ってだけでは持続しないですよね。関わるみんなが心からやりたいと思ってることじゃないと。

バリューブックスでは、届いた本を保育園や学校に届けるブックギフトの取り組みをしてるんですけど、倉庫の作業が忙しくなると、続けるのがむずかしいっていう課題に直面したんです。どうしても倉庫の作業をする人は「ブックギフトの作業より、こっちの本を査定する方が先でしょ!」となってしまうんですね。なぜなら、バリューブックスにとって、会社を維持するための大きな利益を生んでいるのは古本の販売事業なので。

── 社会性だけでなく経済性も担保されていないと、組織のなかでコンセンサスをとることがむずかしくなってくる。

中村

そうですね。だから、ちゃんと利益を生む取り組みとしてビジネスのサイクルにのせることがめちゃくちゃ大事だなと。「本だったノート」だったら、このノートがあることでバリューブックスを好きになって、お客さんが増えてはじめて、持続可能な取り組みになるんだと思います。

山脇

僕らも、デニムの回収拠点の皆さんのビジネスにとって意味がある取り組みにすることはすごく意識しました。デニムの回収拠点になることでお客さんがお店に来てくれて、コミュニケーションのきっかけが生まれる、ということに事業としてのメリットを感じてもらえるからこそ、取り組みが継続していくはず。

こちらから回収拠点となりそうな会社に声をかけることもできたと思うんですけど、そうではなくて募集したのは、事業としてのメリットを感じて自発的に「やりたい」と思ってくださるところと組まないと、継続していくことがむずかしくなると思ったからなんですよ。

取り組みが、課題があることの証左になる

── 「本だったノート」と「FUKKOKU」も、とても有意義な取り組みだと思いつつ、実際は大変なこともあるかと思います。最後に、取り組んでみて見えてきた大変なことや課題を教えてください。

山脇

大変なことか......もう、仕分けのコストがとにかくすごくて(笑)。ありがたいことに約4000本のデニムが集まったんですけど、社内の4〜5人で1週間かけて仕分けしたんです。製品化するにはコットン95%以上の生地であることが必要だったので、品質表示を見て、95%以上のものとそうでないものに仕分けして、それをカットして......。結構な重さになるので、運ぶのも大変でした。

(提供:ITONAMI)

── そうなると、事業の収支としては......。

山脇

正直、商品としてはギリギリ商業べースにのるくらいでしたね。僕らはデニムに絞ってたからできたけど、もしいろんな素材を仕分けるような場合だと、さらに仕分けが複雑になるので厳しいだろうなと。

神谷

いやぁ、コストはかかりますよね。古紙回収ならコンテナに詰め込んで「いってらっしゃい」で終わり。でも、ノートにしようってなると、集めて、製紙会社に送って、印刷やデザインを決めて、どう発信するかを決めて......要するに最後まで面倒を見なきゃっていう義務感が生まれてくる。決して嫌じゃないですけど、大変だなって思います。

中村

あと、正直「本だったノート」をつくっているのも、僕らは忍びないんですよ。本当は送られてきた本をすべてを本のまま流通させることが理想で、「本だったノート」をつくるってことは、自分たちが本の再流通を100%できてないことの証左でもあるので。

── ああ、なるほど......。

中村

「本だったノート」を通じて、たくさんの本が古紙回収に回ってる背景まで伝えることで、「そんなに本捨ててるのかよ」って怒られるかもしれない。でも、隠す方が不誠実でしょ?って思うんです。だって課題は存在してるんだから。

── そういった社会性への意識は、山脇さんも持っていらっしゃるんでしょうか?

山脇

はい。まだまだ実績も少ないですし、アパレルや繊維産業の問題に対してこのプロジェクトがどれほどの役割を果たしているかと言ったらわからないですけど、少なくともモノを長く、大切に使う心を広めていくことは大事にしていますね。

いくら生産や流通側の資源再生の仕組みが整ってきたとしても、消費者や生活者側が気軽にモノを買ってモノを捨てる気持ちがいつまでも変わらなかったら、産業が抱えてる廃棄の問題、つくりすぎの問題は解決されないと思うんですよ。

中村

すごく共感します。世の中であまりにもたくさんの本がつくられてしまっているという、業界がはらんでいる課題がある中で、バリューブックスだけで世の中を変えることはできない。

だけど、せめて目の前で起きている問題を消費者や生活者の方に知ってもらうことで、消費のあり方を考えてもらうことはできるんじゃないかと思ってるんですよね。

神谷

そんなふうに、モノを大切にする気持ちを育む上で、小さなサイクルが目に見えるのがとても大事だと思っています。本が回収されたあとどうなるかって、多くの方にとって実際よくわからないですし。

山脇

プロセスって、言わないほうがやる側としては実は楽(笑)。でも、自分が届けたものが何になるかわかると、すごく喜ばれますよね。

神谷

実はバリューブックスでは「本だった紙」という取り組みも動いているんです。それはノートというかたちに限定せずに、本からできた紙を、さまざまな企業とコラボする中で活用してもらいたいと考えています。
より多くの形で、自分が届けたものがどうなったかを実感できるようになると思うので。

自分が提供したモノが、ちゃんとこういう形になって、それまでにはこういうプロセスがあったんだってわかると、モノを大切にするきっかけになるんじゃないかなと思うんですよね。

情緒的な価値が、サーキュラーエコノミーに関心を持つきっかけになる

山脇さん、中村さん、神谷さんの口から何度も語られたのは、モノへの想いを引き継ぐことの大切さ。誰かの愛着がこもったかけがえのないモノだからこそ、なるべく廃棄するのではなく、その想いもつないでいく...そんな情緒的な価値に共感して、「本だったノート」や「FUKKOKU」は多くの方の共感を生み、結果的に資源の循環につながっているのでしょう。

今、サーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みやサービスがたくさん生まれています。しかし、「サーキュラーエコノミー」や「循環型経済」という言葉にピンとこない人がいるのも事実。そんななか、モノが持つ情緒的な価値を発見し、編集し、伝えていくことは、より多くの人を循環の輪のなかに招き入れるためのきっかけになるかもしれない。そんなヒントを、「本だったノート」や「FUKKOKU」の事例は教えてくれている気がします。

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