中身は秘密。「誰にも届かなかった配達物」を売る専門店
便利なネットショッピング。家に届く荷物をせっせと整理している人も多いだろう。
このように、無事に目的地に届く荷物もあれば、残念ながら、誰にも届かない荷物もあるという。その理由は、宛名ラベルの作成ミスや、仕分け作業におけるヒューマンエラーなどさまざまだ。
そんななか、2024年3月、ベルギーの首都ブリュッセルに、誰にも届かないままになっている荷物を販売するお店「Pile ou Face」がオープンした。Pile ou Faceは、フランス語で「表か裏か」を意味するという。
お店を訪れる人々は、中身がわからない荷物を見て回り、ときには荷物を振って、何が入っているかを予想。そして、荷物を買うと決めたら、その重さに応じて料金を支払う。
荷物を開けると、服、おもちゃ、家庭用品などが入っている。予想外のものが手に入る嬉しさと驚きに、多くの人々が惹きつけられている。
この取り組みは、誰にも届かず廃棄されかねない荷物に、「他の人が使うかもしれない」という、2回目のチャンスを提供している。
2回目のチャンスでも、購入者が、買ったものに納得できないことはあるだろう。それでも、まるで福袋を売るような楽しいアイデアで、荷物が廃棄される可能性を少しでも減らそうとしている。
Pile ou Faceで荷物を買った人の反応はさまざまだ。Inside Retailの記事によると、ある人は約43ドル(約6,500円)を支払い、3~4個のヘッドホンを手に入れた。満足のいく結果だという。別の人は約15ドル(約2,300円)を支払い、ダイヤル式の電話を手に入れたが、欲しいものではなく、他の人に売ることを考えているという。
同店のFacebookを見ると、オープン早々に品切れになったそうで、注目度の高さがうかがえる。お店の前に行列ができている写真も投稿されていて、人々が好奇心を膨らませる姿が素敵だと感じた。
元記事は こちら
【参照サイト】Colis perdus - Transformez les colis perdus en trésors accessibles
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木村 つぐみ(きむら つぐみ)
大学卒業後しばらく経ってから日英の翻訳を始める。そして翻訳にとどまらず自分で文章を作り上げてみたいと思いライターも始める。学生時代に海外生活の経験あり。好きな文筆家はよしもとばなな、ナンシー関など。好きな言葉は「花鳥風月」。