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多様な性との向き合い方とは? パレットーク編集長・合田文さんに聞いてみた

    

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ジェンダーやセクシュアリティ、フェミニズム、LGBTQ+、性教育などといった性のモヤモヤに関する実話をもとに、1分で読める漫画で解説するメディア・パレットーク(@palettalk_)。パレットーク編集長の合田文さんに多様な性との向き合い方について伺いました。

── 合田さんがジェンダーやセクシュアリティの問題に興味を持ったきっかけは何ですか?

幼少期は戦隊ヒーローごっこが好きだったのですが、「女の子なんだから、もっとおしとやかな遊びをしたら?」と大人に言われたことを覚えています。自分の好きなものよりも大人の言うことを大切にしたほうがよいのかな?と思わされたし、今思えば子どもながらにジェンダー規範を感じたのもこの頃だった気がします。高校時代に「どうして女だから、男だからという決めつけがあるんだろう?」と思うようになり、大学では哲学を専攻してジェンダーについて学びました。幼少期から積み重なった日々の経験が、ジェンダーやセクシュアリティの問題への興味につながりましたね。

── パレットークは、どんなきっかけで誕生したのでしょうか。

社会人になってから勤務した人材紹介会社で、LGBTQ+フレンドリーな採用イベントを主催したことがあるんです。セクシュアリティやジェンダーに関わらず、今よりももっと良い環境で働きたいと思っている人々に様々なお話を伺い、誰もが働きやすい環境をつくるにはどうすれば良いか考えるようになりました。その頃に爆発的に流行っていたSNSを使って、ジェンダーに関する投稿を発信するようになりました。

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── 2018年からパレットークでの発信を始めて6年が経ちましたね。人々からはどのような反応が寄せられますか。

一番最初に「LGBTQ+の人は左利きの人と同じくらいいるらしい!」といった投稿をしたときに、そこそこ反応があって。その後、世間でLGBTQ+に関する様々な報道がされたり、フェミニズムをテーマにしたドラマが放送されたりと、世の中の問題意識も変わっていったように感じます。それに伴ってパレットークでも少し掘り下げたテーマを取り上げるようになりました。「『フェミニズムは女性のためだけにあるんじゃない』に感じるモヤモヤ」といった、そもそも普段からフェミニズムについて勉強している人を主人公とした体験談なども増えてきています。

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── パレットークの漫画を制作する中で、編集チームで意識していることを教えてください。

いわゆる「男言葉」、「女言葉」といわれるものはあまり使わないよう意識しています。ジェンダーに関する決めつけや「らしさ」を表現するのであれば、それについてどんな課題や構造が隠れているのかを描きます。編集部内で会議を重ね、表現に関してもブラッシュアップを心がけるようにしています。

自身の成長も確認できる編集チームでの作品ブラッシュアップの様子。
自身の成長も確認できる編集チームでの作品ブラッシュアップの様子。

今はYouTubeにも力を入れています。漫画では表現しきれないことを、編集部のメンバーで「ああでもない」「こうでもない」と話しているコンテンツがアップされているので、ぜひ聞いていただきたいです。

「あちゃこちゃラジオ」

── ジェンダーやセクシュアリティの問題に対して、すぐにできるようなアクションを教えてください。

目の前の出来事を、社会の構造から考え、捉えるというのは大切かもしれません。例えば「女性専用車両があるのに、男性専用車両はないのは不平等だ」と思ったことがある人もいるかもしれません。しかし、視野を広げて「なぜ女性専用車両が必要なのか」から考えると、「電車内での痴漢被害者は圧倒的に女性の方が多い」という問題に気付けると思うんです。平等というのはすべての人を同じように扱うという意味でなく、シーソーが傾いているのを戻すように、元々弱い立場になりやすい人や不利益を被っている人を公平に扱うということ。その前提があってこそ、必要なアクションが見えてくるかもしれません。
また、SNSだけで得られる情報だけでなく書籍などで知見を広げたり、パレットークのマンガを使っていただいて周りと話してみるなどもおすすめです。LGBTQ+を取り巻く課題を自分や周りの大切な人に置き換えて考えてみることで、自分ごととして考えることができるかもしれません。

彼女と指輪を買いに行った話
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日常の中で感じた問題を自身のSNSで発信したり、シェアしてみるのもいいかもしれません。きっと同じモヤモヤを持つ誰かが見てくれると思うんですよね。そういったことに関心があると発信することで、勇気をもらえる人もいると思います。自分が悩んでいるときは、SNSで仲間を探してみたり、イベントに参加してみる。オンラインのものも増えてきていると思います。話を共有できる人は、意外と近くにいるかもしれませんよ。

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社会問題に対して、視野を広げて構造を捉えたり、自分の言葉でシェアしてみることが大切だと話す合田さん。パレットークの漫画を読んだり、SNSで同じ想いの仲間を探してみることは、私たちができる大きな一歩です。ジェンダーやセクシュアリティに関するモヤモヤに向き合い、多様な性のあり方について考えてみてはいかがでしょうか。

元記事はこちら

合田文(ゴウダアヤ)

合田文(ゴウダアヤ)

株式会社TIEWA代表取締役。TIEWA,Inc. CEO パレットーク編集長。
株式会社TIEWAの設立者として「ジェンダー平等の実現」など社会課題をテーマとした事業を行う。広告制作からワークショップまで、クリエイティブの力で社会課題と企業課題の交差点になるようなコンサルティングを行う傍ら、ジェンダーやダイバーシティについてマンガでわかるメディア「パレットーク」編集長をつとめる。2020年にForbes 30 UNDER 30 JAPAN、2021年にForbes 30 UNDER 30 ASIA 選出。
著書に「マンガでわかるLGBTQ+」(講談社,2021) 「あのときもこうあるべきがしんどかった〜ジェンダー・恋愛・結婚〜」(シンコーミュージック,2021)がある。

instagram : palettalk_
youtube : Palettalk-パレットーク

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