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独身者は孤独で未熟な人間か|恋愛なしが自然体のアセクシュアル

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今日私たちが生きる社会では、恋愛や結婚を「幸せな人生の条件」と過剰に重視する傾向があります。しかし、LGBTQ+コミュニティの中には、このような社会的な常識に縛られず、自分らしい生き方を選ぶ人たちがいます。
その一例が、アセクシュアル(Asexual)やアロマンティック(Aromantic)と呼ばれる人たちです。アセクシュアルは他者に性的な関心を抱かない人のことで「エース(Ace)」とも略され、アロマンティックは恋愛感情自体を持たない人を指し、「アロ(Aro)」と呼ばれます。彼らの中には、恋愛や結婚といった概念に興味や価値を感じず、独身でいるのはごく自然な成り行きと考える人もいます。近年、独身者(※1)は年々増えている状況もあり、エースやアロの人々は決して孤独な存在ではありません。実際、国を挙げて結婚や出産が奨励されている(※2)にもかかわらず、アメリカの成人の31%は独身です。そのうち半数にあたる、全体の約15%の人は、現在特に恋愛や結婚相手を求めていないと答えています。

恋愛への意識が二分化する独身者
恋愛への意識が二分化する独身者
Credit:Share of U.S. adults living without a romantic partner has ticked down in recent years,
Pew Research Center, Washington, D.C. (January 7, 2025)

恋愛しない人たちに向けられる偏見

「恋愛するのが当然」、「性的関心を持つのが普通」という価値観の中で、アロやエース、そして自らの意志で独身を貫く人々は、偏見にさらされがち(※3)です。そのため、彼らにはしばしば「社会常識から外れた、未熟な成人」というレッテルが貼られます。ハリー・ポッターシリーズの作者、J.K.ローリングは、国際アセクシュアルデー(4月6日)に対し「根拠のない被害妄想の日」と皮肉を込めた発言(※4)を行い、物議をかもしました。こうした発言はまさに偏見の象徴です。さらに医療の現場では、彼らの性的志向が精神疾患やホルモンの異常と結び付けられ、治療の対象とされてしまうことさえあります。

社会の価値観で孤立する人たち

このような偏見は、エースやアロに限らず、すべての独身者に向けられています。恋愛や結婚をライフイベントの中心とする価値観では、家族愛や友情といったつながりは軽視され、精神的な支えを恋愛パートナーに過剰に求める傾向があります。その結果、理由を問わず「パートナーがいない」というだけで、独身の人たちは社会からの偏見に直面し、孤立してしまうことがあります。たとえば、配偶者を亡くした人(※5)が「悲しみに暮れる一人の人間」ではなく、「片割れを失った不完全な存在」のように周囲から見られ、しきりに次の恋愛や結婚を勧められるのもその一例です。また、自閉症やADHDなど、いわゆる神経多様性のある人々は、その特性や心理状態によって一般的な恋愛の型に合わないことがあります。そんな彼らを、未熟(※6)で欠陥のある人間のような目で見てしまう現状は、社会に根深く残る偏見を浮き彫りにしています。
社会にはいまだに、「異性愛者同士の伝統的な結婚こそが理想」という考えが強く残っています。そのため、独身者や、同性カップル、あるいは結婚という制度に縛られない関係性を選ぶ人々(※7)は社会的な常識から外れているとされ、さまざまな逆風にさらされます。この異性愛中心の価値観に加え、能力主義や年齢差別が存在する限り、いわゆる「普通」の枠から外れた人々は地域社会に貢献する一員として認められず、取り残されてしまうのです。

40歳の未婚率(アメリカ)
40歳の未婚率(アメリカ)
Credit:A record-high share of 40-year-olds in the U.S. have never been married,Pew Research Center, Washington, D.C. (June 28, 2023)

独身は恋愛や結婚と同等の選択肢

こうした状況を変えるために、アセクシュアルやアロマンティックの人々の声を社会に広め、メディアなどで取り上げることはとても重要です。日本では2022年にNHKのドラマ「恋せぬふたり」で、恋愛や結婚に興味を持たない主人公たちが描かれ、こうした人々への理解を促すきっかけとなりました。このような取り組みは、「エースやアロであること」や「独身で生きること」を人々が特別視せず、一つの自然な生き方として受け入れることにつながります。社会が持つ偏見を見直し、恋愛や結婚にとらわれずに人生を楽しく生きる人々の存在を知ること。それは社会の標準的価値観の圧力に悩む人々、恋愛や性的関係に複雑な思いを抱える人々(※8)の心強い支えとなるだけでなく、私たち一人ひとりが生き方の自由を考え直す良い機会になるはずです

会話
  • 執筆 A. Parks   翻訳・編集 K. Tanabe

元記事はこちら
オリジナル英語版はこちら

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