''修理して使い続ける''をスタンダードに。ダウンを扱う「NANGA」ならではの循環するものづくり
スリーピングバッグやジャケットなどの本格的なアウトドアギアから、タウンユースウエアまで幅広いアイテムを展開する日本発のダウンメーカー「NANGA」。スペイン産の羽毛を国内で洗浄した高品質な羽毛を使用し生産された製品は、高い品質でありながら手に取りやすい価格帯とあって、その人気は年々高まりを見せています。一つひとつの工程を職人が丁寧におこなううクラフトマンシップを大切に、製品企画の基軸に置いているのは"循環するモノづくり"。「NANGA」が取り組むサステナブルな挑戦について、ダウン製品のアップサイクルを企画する山田まいさんに、ダウン製品を長く続けるために欠かせない「AFTER CARE」について、修理担当の林ひかるさんにお話を伺いました。
羽毛をくり返し使うことを当たり前にしたい
── 「NANGA」が"循環するモノづくり"を大切にされるようになったきっかけを教えてください。
山田
自然をフィールドとする製品を扱う「NANGA」にとって、環境負荷を抑え、自然に還元する製品を作ることは、当然の責務だと考えています。今では安価な製品もスタンダードとなり、身近な存在となったダウン製品ですが、水鳥1羽あたりから採取できる羽毛は約10g〜20g程度。ダウンジャケットであれば数羽分、スリーピングバッグともなると数十羽分の羽毛が必要となります。それらの羽毛は食肉を得る際の副産物としてもたらされていますが、素材の安定供給や環境保全の観点からも、ダウンの再利用を考えることは、ダウン製品を扱うメーカーとして、欠かせないアクションなんです。
── 具体的にはどのような取り組みをされていますか?
山田
羽毛は適切な手入れをすれば100年以上も使い続けられる優れた素材といわれています。私たちは「羽毛は資源」という認識を広めるため、古くなったダウン製品から新たなダウン製品を生み出す「Re:ACT」、資源を未来に託す「Re:CYCLE MATERIAL」、製品をより長く愛用していただくための「AFTER CARE」。この3つのアクションを柱にした「NANGA MOVEMNT」というサステナブルアクションを進めています(※1)。
ダウンメーカーならではの独自のアップサイクル
── 「Re:ACT」では、どのような製品がアップサイクルで生まれるのでしょうか?
山田
ご自宅にある使い古した羽毛布団をお預かりして、羽毛を洗浄、そして新たな「NANGA」の布団やスリーピングバッグ、ダウンジャケットへと仕立て直します。日本の伝統的な布団の再利用文化である「打ち直し」を参考にしたもので、2022年から本格始動しました。環境のことを考えれば、既存の羽毛を再利用し、新たな製品としてお手元へお返しするアップサイクルサービスを積極的におこなうべきだと考えています。
── 羽毛という貴重な資源の再利用を促す「Re:ACT」の取り組みは、リユースに対する意識を変えるきっかけにもなりそうですね。
山田
そうなんです。リサイクルだけじゃない選択肢がありますよ、とちゃんとお客様に提示ができるようになれたら。今はまだ生産体制の確立ができていなくて、羽毛布団のみを受け付けていますが、いずれはスリーピングバッグ、最終的にはダウンジャケットも受け付けられるように、新たな製品化も目指せればと考えています。
環境負荷の低い自然由来のリサイクル素材の導入
── 「Re:CYCLE MATERIAL」はどのような取り組みですか?
山田
環境負荷を抑えた製品作りを実現する手段として、再生素材を採用しています。例えばリサイクルナイロンやリサイクルダウンなどを、ベーシックグレードの製品に採用しています。また、リサイクルダウンの原料については、新たに2025年8月から本格的にNANGA SHOP各店での回収活動も始まり、素材を使用するだけではない役目を担い始めました。「Re:CYCLE DOWN」として生まれ変わった、羽毛素材をダウンジャケットやスリーピングバッグなど、ベーシックグレードの製品に採用しています。
── 資源の再利用はとても大切な行動ですが、製品として品質が落ちてしまう、ということはないのでしょうか?
山田
羽毛の性能を示す数値としてフィルパワー(FP)(※2)というものがあり、高級ダウンの目安は650FP以上といわれています。「NANGA」では650FP以上の高品質なのリサイクルダウンを使用しているので、新品の羽毛と同レベルの品質をご提供しています。
── 軽さと暖かさを維持しながら、それがエコ素材であるなんて、とても魅力的ですね。ダウンのほか「Re:CYCLE MATERIAL」を使用した製品はありますか?
山田
アパレル製品のコットン糸を「フェレーヤーン」という再生コットン素材に置き換えています。コットンの栽培には広大な畑や大量の水、肥料が必要で、生産が与える環境負荷は大きいといわれています。この問題に向き合うため、通常では捨てられてしまう裁断端や廃棄衣料を独自の製法で裁断し、再度紡績した「フェレーヤーン」を使用しています。また、今年からは、強度と耐摩耗性を兼ね備えたペットボトルをリサイクルしたポリエステル素材「ECOPAK」を取り入れたバッグシリーズも始まりました。
── 「Re:CYCLE MATERIAL」を使うことが、ブランドのスタンダードになりつつありますね。
山田
そうですね。ただ、エコな素材ならなんでも使うのではなく、我々の製品に適したものかということが大切。高品質な製品やサービスをお客様にお届けすることで、「羽毛は再利用できる素材」という認識を広め、リユースに対する意識が変わることに繋がれば、と思っています。
1994年の創業時から続く修理サービス
── サステナブルアクション「NANGA MOVEMNT」のひとつ「AFTER CARE」について教えてください。
林
「NANGA」の製品は、過酷なアウトドア環境下での使用や、日常的に繰り返し愛用されるのを想定し、開発段階からできる限り丈夫かつ長期間の使用に耐えうる製品設計を取り入れています。しかし、長年使用していれば経年劣化で、時にはどこかが破損しまうものです。そんな時に、「修理して使い続ける」という行動をとっていただけるよう、ユーザーの皆様が安心して利用できる「AFTER CARE」サービスを創業時から続けています。
── 具体的にはどのようなケアをしていただけるのでしょうか?
林
生地の破れや痛み、縫製のほつれなどの修理、クリーニング、ダウンスリーピングバッグへのファスナー交換や羽毛増量などを有償で対応させていただいております。
林
一部、使用素材などの理由で元通りの修理がおこなえない場合もありますが、「NANGA」のダウン製品はすべてアフターケアの対象。お預かりした品物は国内の自社工場で修理します。
── 愛着を持って使用していた製品をメーカーにメンテナンスしてもらえるというのはとても心強いですね。
林
そう感じていただけるとありがたいです。私たちメーカーができるのは、「長くご愛用いただける製品を作り、そして修理すること」。なかでも弊社で製造されたスリーピングバッグは永久保証の対象となり、期間を限定せずに修理対応をおこなっています。創業時から続くスリーピングバッグ製品の永久保証は、私たちのアイデンティティでありプライドでもあります。また、自社で修理することで、製品のウィークポイントを把握できるメリットも。修理で気づいた不具合を商品開発部に報告し、製品に反映するようにしています。
ZOZOスタッフのアウトドア担当も愛用
「NANGAさんのいろいろな商品を愛用していますが、やはりおすすめはスリーピングバッグですね。仕事柄、様々なスリーピングバッグで寝てきましたが、NANGAさんは寝心地、暖かさ、すべてにおいてNo.1です。また、スリーピングバッグは永久保証となっており、修理も相談できるところが嬉しいポイント。ZOZOTOWNでは、ダウンジャケットの人気が高く、なかでもAURORA TEX DOWNシリーズが毎年好評いただいてます」(ZOZO NANGA担当:児玉)
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寝具
¥62,700
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¥73,700
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¥99,000
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セルフクリーニングでダウンの品質を維持できる!
── 「ダウンは適切な手入れをすれば100年以上も使い続けられる」と伺いましたが、やはり長く使う上で大切なのは「ケア」と「メンテナンス」ですね。
林
はい。本当のサステナブルは「ケア」を知ることから始まると考えています。使用を重ねてへたってきたダウンも、洗浄をしてロフトを復活させることで、より長く製品をご愛用いただけます。「NANGA」では、ご自身でクリーニングやメンテナンスができる方法をご紹介するコンテンツの作成や商品作りを進めています。
── 自分でもできるダウンのメンテナンス法を教えてください。
林
ウェアはシーズン終わりにクリーニング店に出すだけではなく、シーズン中も汚れたら拭いて、干すなど自宅でメンテナンスをすることで、機能を維持し、寿命を伸ばすことができます。クローゼットにしまう際は、圧着袋に入れないでください。湿気がこもってしまうので禁物です。
── 手洗い表示があるダウン製品は自宅でクリーニングしてもよいのでしょうか?
林
はい、大丈夫です。ご自宅での洗濯方法をお伝えしますので、ぜひご自身でもチャレンジしてみてください。
自宅での洗濯手順
- ポケットなどに物が入っていないかを確認し、製品を裏返して、ロール状に畳んで、洗濯ネットに入れます。事前にしっかり濡らしておくと、水に浮くことなく、洗濯することができます。
- ご家庭用の中性洗剤で洗濯機の手洗いモード、おうちクリーニング、毛布洗いコースで洗濯を。製品の上に大判タオルなど他の洗濯物をのせて一緒に洗うことで生地へのダメージを軽減することができます。
- 脱水はしっかりと。水気がある場合は手絞りをおこない、大判タオルで余分な水分を取り除いてください。
- 直射日光の当たらない風通しの良い場所で、完全に乾くまでしっかりと乾かしてください。乾いたら、両手で満遍なくたたき、羽毛をよくほぐしてください。最後にキルト部分に防水スプレーをスプレーすれば、完成です。
── おすすめの洗剤はありますか?
林
英国STOREM社と連携して展開する、ダウン製品専用洗剤「NANGA×STORM CARE SET 225ml」がおすすめです。アウトドアウェア用洗剤と撥水剤のセットなので、両方を入れて洗濯機を回すだけで、クリーニングとリプルーフが完了。時間、水、電気代を節約できる、ワンウォッシュサイクルのダウン用洗剤です。
── 自宅で簡単にケアできるし、心配だったらプロに任せたらいいということを知っていると、メンテンナンスのハードルも下がりますね。
林
そうですね。素材本来の機能を維持することを習慣化することも、アフターケアの一環と考え、これからも多くの方にその重要性を伝えていきたいと思っています。私たちが率先してアクションを起こすことで「モノを大切に使い続けるのがあたり前」という認識が広がるよう、挑戦を続けています。「ダウンを単なる消費品として扱うのではなく、長く大切に使い続けるもの」ということを知ることが、サステナブルなアクションに。「NANGA MOVEMNT」を通して、ユーザーも「資源を大切に、再利用すること」を当たり前にしていきたいですね。
元記事はこちら
NANGA(ナンガ)
【ダウンスペシャリティショップのクオリティー】 ブランド立ち上げから今年で30周年、ダウンプロダクトを扱う会社をはじめて70年以上の実績をもつNANGAだからこそできるクオリティー。 安全性と高品質にこだわった国内洗浄のダウンの選定をはじめ、ダウンの性質、特性を熟知した商品企画ならびに生産のクオリティーコントロール。 いずれも"見えない部分"だからこそ手を抜かず、自信を持ってお客様にお届けできるアイテムの企画製造販売を心掛けています。
Web : https://nanga.jp/
X : https://x.com/nanga_official
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Youtube : https://www.youtube.com/@nangaofficial1941



