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「そのままがかわいい」は通じない? 子どもの容姿のこだわりに向き合うには #こどもをまもる

    

Yahoo!ニュース オリジナル 特集

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近年、子どものメイクや美容医療など美容への関心が高まりつつある。夏休みに入り、普段できないようなおしゃれを楽しむ子どもたちも多いのではないだろうか。

Yahoo!ニュースがコメント欄で美容の低年齢化についての考えを募集したところ、容姿に悩んだ経験から、「コンプレックスの解消になるなら否定しない」という意見や、「外見よりも内面を重視してほしい」などの声が寄せられた。保護者や周囲の大人は子どもの美容への関心の高まりや容姿の悩みに対して、どう向き合えばいいのだろうか。美容整形の当事者、専門家とともに考える。(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/監修:大村美菜子)

目次

  1. 子どものメイクや美容医療についてどう思う?
  2. 美意識の沼 自分が知りたい情報だけ流れてくる? SNSの影響と注意点
  3. 自分のことを肯定し、好きなことを見つける
  4. 子どもの容姿の悩み 向き合うには
  5. トラブルに遭ったときの相談先

1. 子どものメイクや美容医療についてどう思う?


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「【みんなで考えよう】メイクや美容医療など、美容の低年齢化についてどう思いますか?」のコメント欄(2024年6月28〜30日、計588件)には、上図のような、さまざまな声が寄せられた。

肯定的な意見としては、過去に容姿でからかわれてつらい思いをした経験と併せて、「コンプレックスの解消になるなら否定しない」という声が目立った。また、「高校生までは脱毛や歯列矯正などコンプレックスケアをするまで、二重整形など造形に関する施術は20歳を過ぎてから」といった、年齢に応じたケアや治療を段階的に行うことを提案する意見もあった。一方で、化粧による肌トラブルや、成長過程に美容医療を行うリスクを懸念する声も多数上がっていた。

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その他、「SNSの情報に洗脳されているように見える」「お金儲けのために子どもが美容ビジネスのターゲットにされている」といった不安の声も見られた。

2. 美意識の沼 自分が知りたい情報だけ流れてくる?SNSの影響と注意点

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コメント欄には、美容の情報源としてSNSが多数上がっていたが、SNSには、その人が好みそうな情報を分析し、同じような情報を表示する仕組みがある。例えば「二重整形」について調べると、それに関連する情報や広告が次々に流れてくる。

自分の興味がある情報を見続けると、視野が狭くなり、あたかもそれが世の中の標準だと誤解してしまう「フィルターバブル」という現象に陥る。うそや誤情報にも気づきにくくなるため、注意が必要だ。

また、子どもの容姿や化粧行為を研究している大村美菜子氏によると、最近はSNS上のルッキズム(外見で人を判断したり差別したりすること)にも気をつけたほうがいいと言う。

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SNSのルッキズム

大村 美菜子

例えば、アップされた写真を見て顔や体形を批判したり、並んで写っている人と比較して「公開処刑」などしんらつなコメントを残したりするのを見かけます。容姿へのこだわりが強い人がこのようなコメントを見ると、さらにこだわりを強める可能性があり、心の健康も崩しかねません。見ないことが一番ですが、使用するSNSサービスの数を減らす、コメントを制限するなど環境を整えておくといいと思います。

3. 自分を肯定し、好きなことを見つける

美容系のインフルエンサーとして活動する加藤由起氏は、自分の容姿に悩み、中学から高校にかけて3度の二重整形をした当事者だ。 今は外見にとらわれずに、自信を持てるようになったという。どのように悩みを克服したのか話を聞いた。

環境の変化や友人の影響で、初めて自分を肯定できた

加藤 由起

中学生のとき、同級生に見た目をからかわれてすごく悩みました。親の遺伝子を恨んで、両親に「お前のせいだ」と言って暴れていましたね。母がつらい気持ちを理解してくれて二重整形をしましたが、思った通りにはいきませんでした。

アメリカに留学したときに、現地の学生からコンプレックスだった一重まぶたを褒められたことがきっかけで、自分の持っているものは、輝いていたんだと、素敵なものだったんだと、初めて知りました。 一緒に過ごした友人の影響も大きいです。彼女はとてもポジティブで、「私たち、かわいく生まれて最高だね」とよく言っていました。それで私も同じ考えを持つようになったんです。環境を変えることや新しい仲間と知り合うことで、考え方や価値観が変わるかもしれません。

徐々に自己肯定感が高まり、行動も変わったという。

夢に向かって新しい情報を取り入れる

加藤 由起

自分の見た目が気になって人と話すのも怖かったのですが、いろんな人と信頼関係を築けるようになりました。また、文章を書いたり一人で静かなカフェで過ごしたりと、自分が本当に好きなことに気づき、思考のスペースを自分の夢に集中して過ごせるようになりました。

そして、SNSの使い方も変わりました。以前は美容整形のことばかり調べて知らないうちに視覚的に自分を傷つけていましたが、それに気づいてからは自分の興味や将来やってみたいことなど、幅広く情報を集めています。ニュースやギャグ漫画を見るなど意識的に新しい分野の情報を取り入れていけば、受け取る情報も変化し、興味の幅が広がると思います。

整形やメイクは見た目の悩みを解消するのだろうか。

自分のいいところを見つけて自分を肯定する

加藤 由起

メイクや整形で自分がかわいくなるのはうれしいですし、メリットもあると思います。実際に私は大学生のときに、二重を一重まぶたに戻す整形をしましたが、とても満足しています。メイクも自分を表現する一つの手段として、色々と楽しんでいます。

ただ、自分の中身や美に対する価値観が変わるまで、私は幸せになれませんでした。まずはありのままの自分を受け入れること。そして自分の内面でいいところを見つけながら、少しずつ自分を肯定していくと、世界の温度感が変わってくるかもしれません。

4. 子どもの容姿の悩み 向き合うには

大村氏は、健常者が容姿にこだわりを持つことを「醜形恐怖心性」と定義し、誰にでもあることだという。 しかし、外見上の欠点にとらわれて日常生活に支障をきたし、多大な苦痛を感じる場合は、「身体醜形症」という病かもしれない。

容姿のこだわりは止められない

大村 美菜子

身体醜形症の傾向がある人は、自分の顔を醜いと思い込み、何度も鏡を見たり外出できなくなったりする、美容整形を繰り返すなどの症状があります。そのようなときに、「あなたは醜くない、容姿にこだわるのをやめなさい」と言っても止められません。大きな苦痛を伴うようであれば、精神科や心療内科を受診するといいでしょう。

子どもが容姿に悩んでいたら、保護者はどのように向き合えばいいのだろうか。

子どもの気持ちを受け止める

大村 美菜子

まずは否定せずに子どもの気持ちを受け止めることが大切です。 子どもが悩んでいたら、さまざまな解決法を一緒に考えることが必要だと思います。 また、心理学者のエリクソンが提唱する「発達心理学」の理論では、6歳から20代前半の頃はまだ自分が確立されておらず、自分に自信を持てなかったり人の目を気にしたりするものだといわれています。「今は容姿が気になりやすい時期」と知ることも一つです。好きなことや得意なことがある子どもは、容姿に自信がなくても自分に自信を持っています。強みを見つけてサポートすることも大切です。

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5. トラブルに遭ったときの相談先


美容医療サービスをめぐるトラブルに遭ったときは、最寄りの消費生活センターや消費者ホットラインなどに相談できる。

・全国の消費生活センター一覧
国民生活センター

・身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を案内する全国共通の3桁の電話番号(188)
消費者ホットライン

・医療に関する苦情・心配などの相談
医療安全支援センター

元記事はこちら

「子どもをめぐる課題(#こどもをまもる)」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。 子どもの安全や、子どもを育てる環境の諸問題のために、私たちができることは何か。対策や解説などの情報を発信しています。

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