''買う''だけじゃない。オランダで体感した、 ヨーロッパで広がるファッションとの新しい関係
ファッションを楽しむことと、その先のことを少しだけ考えること。そのふたつを無理なく両立する感覚は、ヨーロッパではすでに広く浸透しています。例えば、お気に入りの服を長く着たり、古着を取り入れたり、修理しながら使い続けたり。そんな選択が、特別なことではなく日常に根付いています。また、ヨーロッパでは、素材や生産背景といった情報が可視化される仕組みづくりも進んでおり、人々の意識も「なんとなく選ぶ」から「少し知って選ぶ」へと変わりつつあります。今回は、そうしたヨーロッパのファッションの動きと、実際にZOZOスタッフが見た、サステナビリティ先進国といわれるオランダの様子をご紹介。「近い将来、日本のファッションもこんな形になるかも?」――そんな未来を想像しながら、新しいファッションとの付き合い方をのぞいてみませんか?
ヨーロッパで進む「循環するファッション」の仕組みづくり
ヨーロッパでは、近年、ファッションとの向き合い方が少しずつ変わり始めています。その背景にあるのは、国やEUが主導するルール整備。情報開示やリサイクルの仕組み化が進んだことで、企業も生活者も自然とサステナブルな選択をしやすい環境が整っているのです。
例えば、EUで進む「修理する権利」の法改正。フランスなどで導入された「修理可能性指数」は、製品の直しやすさを10段階で表示し、生活者がスマートフォンや家電などを、より気軽に修理できる環境づくりが進んでいます。2023年10月からは靴や衣服の修理にも補助金が支給されるなど、お気に入りをより長く愛用するための仕組みが広がりつつあります。
さらに、服の情報を見える化するデジタルな仕組みも進んでいます。素材や生産背景、リサイクルのしやすさを購入する前に知ることができるようになるというもの。いわば、服にプロフィールがつくようなイメージです。これによって、デザインや価格だけでなく、その服の背景まで知って選ぶことが新しいスタンダードになるかもしれません。
ファッション以外の日常生活のなかでも今あるものをどう活用するか、楽しむかという感覚はこれまでも見られましたが、近年より一層広がり、ヨーロッパのスタンダードになりつつあります。こうした考え方は、制度や仕組みだけでなく、街の中の風景や日常の選択にも少しずつ表れているのが印象的です。実際にオランダを訪れたZOZOスタッフも、街のさまざまな場面でその感覚に触れることになりました。
サステナビリティ先進国・オランダで、ZOZOスタッフが出会った素敵なカルチャー
サステナビリティ先進国として知られるオランダ。首都アムステルダムでは、なんと2030年からガソリン・ディーゼル車の市内走行が禁止される方針だそう。街にはEV充電ステーションが一つの通りに複数台設置され、国立美術館の多くのグッズでGOTS認証の素材やリサイクル素材が使われるなど、街のあちこちに、環境への配慮が自然と溶け込んでいるのが印象的でした。
そんな滞在中、オランダが1年で一番盛り上がる祝日「王の日(4月27日)」を体験。この日だけは誰でも自由に路上販売ができるため、街中が市民による大規模なフリーマーケット会場に!着なくなった服や雑貨が楽しげに売り買いされる様子を見て、モノを循環させることが、特別なことではなく日常に根付いているように感じました。
さらに、何気ない日常の中にも「ゴミは資源だ」という意識が深く根付いています。それを象徴するのが、駅やスーパーなどにある「Statiegeld(デポジット制度)」の返却機。マーク付きのボトルや缶を返却するとデポジット(保証金)が戻る仕組みで、資源としての価値をしっかり理解しながら、おトクさも実感でき、楽しみながら自然とリサイクルに参加できるようになっていました。ほかにも、本のように服を借りられる「服の図書館(※)」など、無理のない循環の仕組みが街に溶け込んでいました。
ヨーロッパでは国や街が進める仕組みづくりなどを背景に、生活者が日常の中で自然とサステナブルな選択をしやすい環境が広がっているようです。お気に入りを長く着ることや、次に選ぶ1着の素材などに少しだけ目を向けてみることも、身近なアクションのひとつ。すぐにすべてを変えようとしなくても、自分に合うペースで日々の選択を重ねていくことが、これからのスタイルにつながっていくはずです。これからのファッションは、"長く使う""選んで使う"という価値観が、より広がっていくのかもしれません。
※本記事は2026年4月時点の渡航に基づく視点で作成した記事です。
元記事はこちら









