「何をするか」より、まず「知り合う」。仕事を進めやすくするチームづくりのヒント
リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。
同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。
アキさんは、公募で集まったメンバーによるD&I推進チームのリーダー。前任者からの引き継ぎもほとんどないまま、自分より活動歴の長いメンバーのなかに、二代目リーダーとして加わることになりました。お互いをよく知らない状態から、アキさんはどのようにチームメンバーと向き合っていったのでしょうか。
引き継ぎもないまま、二代目リーダーに
4月からD&I推進のリーダーになることが決まって、配属前の3月から様子を見ておこうとミーティングに参加し始めたんです。そうしたら、あるチームのミーティングで、いきなり「来年度は何をしようと思ってるんですか?」ってメンバーに聞かれて。
あれ、そもそも私自身も何をすればいいか分かっていない状態だし、まずは話を聞くために参加したのに、おかしいな、と。みんな、新しく来るリーダーにすごく期待してるし、この人は何をしてくれるんだろうって不安にも思ってる。それを、ひしひしと感じたんです。
しかも、前任者からは「好きにしたらいいよ」と、引き継ぎらしい引き継ぎもありませんでした。リーダーが変わるのにお互いに自己紹介の時間もなくて、みんなは私のことを知らないし、私はみんなのことを知らない。これで本当に、組織を動かしていけるのかなって最初は心配でした。
最初のミーティングが、どうもうまくいかない
4月になって、いよいよ自分が進めていく立場になりました。でも、一回目のミーティングが、やっぱりなんだかうまくいかない。なんでだろうって考えて......あ、そうか。私がちゃんと自己紹介してないからだって。
まず、私がどんな思いでここにいるのか、どんなことを考えている人間なのかを知ってもらわないと、みんなも「これがやりたい」「あれがやりたい」とは気軽に言いにくいですよね。そこがすっぽり抜けたまま、いきなり施策の話を始めようとしてたんです。
まず、自分からさらけ出してみた
次のミーティングで自己紹介の時間を取ってもよかったんですけど、それまで寝かせておくのも、なんか気持ち悪くて。とりあえず、早いうちにと思って、チームのチャットツール(Teams)に「私って◯◯◯な人です。D&Iに◯◯◯な思いを持っています」って投稿したんです。
あと、私自身はD&Iの専門家ではないので、「これまでやってきた、みんなから教えてもらう立場です。私がしたいことをするんじゃなくて、みんながやりたいことを支援していきたい。だから、いっぱい話を聞かせてほしい」と。そんなことを、つらつらと書きました。
そうしたら、一人、また一人と、反応が返ってきたんです。どんな思いで取り組んでいるか、どんなことがやりたいかなどを、チャットやミーティングで話してくれるように変わって。
自分の思いを話すときって、みんな、笑顔になるんですよね。そこでようやく、みんなの笑顔が見られて。この人たちと一緒にやっていきたいなと、心から思えた瞬間でした。相手を知るには、まず自分のことを話さないと、お互いに知り合えない。それが基本なんだなって、あらためて感じました。
みんなが「挑戦できる場」を作り出すために
とはいえ、このチームは直接、評価がつく活動ではないんです。だから、かける時間も、かける思いも、メンバーそれぞれがバラバラで。そのため、「この作業はみんなで分担しましょう」とは強く言いにくく、なかなかプロジェクトが前に進まないこともあります。
そこで、以前から私がやりたかったキャリアイベントの企画を、マネジメントしている4つのチームの発信の場として立ち上げることにしました。たとえば、育休経験者の話とか、シニア活躍のこととか、メンバーそれぞれが思い入れのあるテーマに関われるかたちにして。
イベントを企画するのも、人前に立ってモデレーターをするのも、その人にとって新しい挑戦になります。うまくいっても、いかなくても、挑戦している姿は、まわりに伝わる。実際、「この前のイベント、聞いたよ」って声をかけてもらったり、役員がアンケートに答えてくれたり。ちゃんと、関わった人たちのモチベーションアップにもつながっていて。だから、イベントをみんながキラキラ輝ける場として続けていきたいです。
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「2030年、もう"女性活躍"とは言わせない」を合言葉に、私たちは組織の女性ミドルマネジメントが抱える「課題」と「ストーリー」を記事化し、彼女たちやそれに続く人たちが、ときに一緒に泣いて怒って笑って、元気が出る発信をnoteでしています。日本や世界の働く女性の現状を知り、多くの方に周知するため、専門家や企業への取材も行っています。
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イラストレーション 高橋由季








