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利益の80%をアフリカに還元し、現地の社会課題解決に貢献するファッションブランド「SHIFT80」とは?

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余剰利益の80%をアフリカの現地に還元し、孤児や貧困児童、困難な状況にある女性をサポートしているファッションブランド「SHIFT80」代表の坂田 ミギーさんへのインタビュー後編です。

ケニアの人々の才能を活かし、現地の社会問題を解決へ導く

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── 「SHIFT80」を立ち上げられた経緯について教えてください。

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SHIFT80ホームページより

キベラには、経済的な理由で生理用品を手に入れられず、いじめを受け、学校に通えなくなる少女がたくさんいます。この課題に向き合い、2018年から現地の少女たちに生理用品の支援をおこなってきました。このプロジェクトでキベラを訪問していた矢先、2020年のパンデミックの影響で現地の人々は仕事を失い、生活が困難な状況に。この問題に直面したことで、彼らの才能を活かして利益を生み出し、得られた利益を彼らに還元するビジネスをつくろうと考えたんです。様々な社会問題を抱えるキベラを支援し続けるため、2022年2月に「SHIFT80」を立ち上げました。

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「SHIFT80」代表、坂田ミギーさん

── 様々な選択肢がある中で、なぜアパレルを選ばれたのでしょうか?

きっかけは、リリアンという女性との出会いでした。彼女はキベラでマゴソスクールという学校を運営していて、工房で自らデザインした洋服を製作し、子どもたちに着せて年に2回ファッションショーを開催しています。彼女がつくる洋服は質が高く、私もよく彼女に洋服をオーダーしていました。だからこそ、彼女と一緒に服づくりをするのが良いと思ったんです。アフリカならではの個性的な柄を身に付けると、自然と元気になれますね。

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ケニアでのファッションショーの様子

古着のアップサイクルを通じて、明るい未来へ

── 何度も現地を訪れている坂田さんから見た、アフリカの現状や問題を教えてください。

現在、アフリカは古着の最終集積地となっています。着用可能な洋服は現地で一着数十~数百円で販売されるので、お洒落を楽しんでいる人が多い印象です。一方で着用できないものは捨てられるか、地層のように積み重なって放置されており、大きな環境問題となっています。また、古着が安すぎるために、現地でつくられた新品の洋服が売れず、繊維産業が深刻な打撃を受けているという問題も発生しています。

  • Tシャツ

    Tシャツの素材には、ウガンダやタンザニアなどアフリカ産のオーガニックコットンを使用。

  • ズボン
  • アクセサリー

    南部アフリカのエスワティニの女性たちがつくるアクセサリー。金属のような見た目だが、素材は廃棄される予定だった古い新聞紙。

そこで、「SHIFT80」ではアフリカに送られてくる古着同士を組み合わせてアップサイクル商品をつくっています。製作は大部分を現地のデザイナーとテーラーに、細かい補修は日本の縫製工場にお願いしていますが、中には直せない状態にまで劣化しているものも多く、これも大きな問題だと感じています。

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アメリカからアフリカへ渡ったファーベストを修復し、他のアイテムから集めたワッペンをつけてアップサイクルしたもの。

── 実際にサポートを始められてから、現地の状況に変化を感じますか?

「SHIFT80」が生理用品を寄付している学校では、少女たちが生理期間中も学校に通えるようになり、成績も上がっています。臭いや漏れを気にせず清潔に、快適に過ごせるようになったことで、彼女たちの自己肯定感が高まったことも大きな変化だと感じています。

また、「SHIFT80」の支援によって、これまでに7名が高校や大学に通っています。高等教育を受けることで、判断力や考える力が身につき、彼らの未来が広がる可能性があるので、こうした支援は今後も続けていきたいと思っています。

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ケニアの少女と坂田ミギーさん

── 今後、「SHIFT80」として挑戦したいことはありますか?

今後は、日本全国で「SHIFT80」の洋服を直接見ていただける機会をつくりたいと考えています。また、アメリカへの進出も目標にしています。アフリカに流れる古着の多くはアメリカからきているので、アフリカでアップサイクルした洋服をアメリカで販売し、得られた利益をアフリカに還元する循環を生み出せたらと。すべての国において、不要になった古着を自国で循環させたり利用したりできる未来が実現することを願っています。

── 最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

ファッションは楽しさと高揚感を与えてくれるものだと思います。それは国や人種関係なく、みんな大好きなんですよね。ケニアの子どもたちも新しい服を着せてもらったときは笑顔になります。ファッションには人を笑顔にしたり、自信を引き出したり、幸せにしたりする力があるからこそ、ファッションに関わるアフリカの問題を多くの方に知ってもらい、みんなで楽しみながら社会問題も解決していけたらと思っています。

元記事は こちら

坂田 ミギー(サカタ ミギー)

広告制作会社、株式会社博報堂ケトルを経て、株式会社こたつを設立。31歳で世界一周の旅へ出発し、帰国後はTVCMやデジタル、PRなどの広告企画制作を続ける傍ら、アフリカの孤児・貧困児童と女性へのサポートを目的としたエシカルファッションブランド「SHIFT 80」を立ち上げる。現在はアパレル製作をはじめ、旅やキャリアに関するエッセイ執筆のほか、キャンピングカーをモバイルオフィス兼自宅として、日本各地を旅しながら働くスタイルを実践するなど、活躍の幅を広げている。
https://www.instagram.com/migimagari/

SHIFT80

SHIFT80(シフトエイティ)

「世界をシフトさせる」というコンセプトのもと、ケニアののファッションデザイナーやテーラー、日本の紡績・縫製工場とタッグを組み、エシカルなファッションアイテムを展開するアパレルブランド。分配可能な利益の80%以上をアフリカに還元しており、すべてのアイテムがアフリカの貧困児童の教育機会創出や生活支援、困難な状況にある女性へのサポートに直接つながっている。品質とデザインへのこだわりはもちろん、人と社会、自然環境にも配慮したものづくりを実践している。

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