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知る、つながる、はじまる。

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10倍速で成長する森から、コヨーテのいる都会の公園まで。「木を植える」ことで見えてくるもの

    

ニューロマジック

WWF(世界自然保護基金)と森林宣言アセスメントパートナーズ(※1)の「Forest Pathways 2023」によると、2022年の世界の森林減少面積は660万ヘクタールにも達しました。そのうちの410万ヘクタールが熱帯原生林で、これはスイスの国土面積にほぼ等しく、毎分サッカー場11個分の熱帯原生林を失っている計算となります。(※2)

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UN Photo/Pernaca Sudhakaran

急速に進む森林破壊は、世界の人口増加とそれに伴う食料やエネルギー需要の増加に伴う森林開発が主な原因です。開発により生産される農作物や木材、紙、採掘される石炭や金属などは、日本をはじめ世界中の国々で利用されています。

多くの団体による『植林活動』や森の自然回復力などにより、近年では破壊スピードは多少緩やかになってきてはいるものの、依然としてその回復力よりも失われる勢いが遙かにしのいでいる状況です。このままの勢いで森林破壊が続けば、今残されている天然の木々も、遠からず地球上から失われることになるでしょう。

『植林・植樹』木を植える

『木を植えること』は、よりよい持続可能な未来を築くために、有効かつ大切な活動の一つです。様々な企業や団体が、参加型の『植林体験』などを実施し、身近な問題として、SDGsに対する取り組みを知ってもらおうと活動に力を入れています。
『植林』は単なる環境保護活動だけでなく、社会的、経済的、文化的にも大きな変化をもたらします。今回は都市部にある公園から人里離れた山奥まで、世界中での植林の取り組みが地域コミュニティを形作り、SDGsとどのように結びついているかの具体的なケーススタディを通じて、その多面的なメリットを紹介します。

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木の力とSDGs

『植林・植樹』は、SDGsと密接かつ複雑に関連しています

  1. SDGs13:気候変動対策 - 二酸化炭素を吸収し、温暖化対策に極めて重要な役割を果たします。
  2. SDG11:持続可能な都市とコミュニティ - 都市の緑は都市生活の質を高めます。
  3. SDG15:森林再生は生物の多様性と生態系の維持に貢献します。
  4. SDG3:健康と福祉 - 緑地は身体的・精神的健康に貢献します。
  5. SDG8:健全な労働と経済成長 - 林業は雇用を創出し、経済活動を活性化します。

ニューヨーク 都市の緑のオアシス

都市部にある公園は、そこに住む人々の幸せのために必要不可欠です。ニューヨークのセントラルパークは、都会の緑がいかに生活の質を高めるかをよく表しています。
マンハッタン中心部にある843エーカーの広大な緑地、セントラルパーク(1859年開園)は、都市住民に自然の安らぎを提供するために設計されました。(面積は、同じく大都市の中心部にある東京の日比谷公園と比べると、約21.3倍。東京ドームだと68個分にもなります)

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UN Photo/Cia Pak

具体的なインパクト

健康: レクリエーション、運動と精神的なリラクゼーションの促進(SDGs 3)
ランニングコース、スポーツフィールド、遊び場などは、アクティブなライフスタイルを支えてくれます。自然の中での定期的な運動は、ストレスレベルの軽減、気分の改善、メンタルヘルスの向上につながります。

環境: 大気浄化と二酸化炭素の削減(SDG13)
セントラルパークの樹木は、大気の浄化や二酸化炭素の削減に重要な役割を果たしています。公園の広大な森林は汚染物質を吸収し、世界で最も交通量の多い都市のひとつであるニューヨークの空気の質を向上させています。また、緑地は都市の野生動物の重要な生息地としても機能しています。ニューヨークのど真ん中でリスやフクロウ、コヨーテまでが暮らしている......ご存知でしたか?

コミュニティ: 文化・社会的イベント、コミュニティのつながりと包括性(SDGs 11)
コンサートや演劇の公演から教育プログラムやボランティアの機会まで、セントラルパークは活発なレクリエーションやアクティビティ、ボランティアや教育プログラムなど、世代を問わず多様なニーズに応える多目的な空間、コミュニティの拠点となっています。

ルワンダ リモート・ピークス(都市部を離れた森林再生)

都市部を遠く離れた土地での森林再生も、人々に大きな変化をもたらします。2014年から始まったルワンダのギシュワティ・ムクラ国立公園再生プロジェクトは、破壊された3,558ヘクタールの伐採地を復元することを目的とし、植林と地域コミュニティの開発を目指しています。

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Rasse2, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

具体的なインパクト

生物多様性: 森林再生活動による絶滅危惧種の生息地復活(SDG15)
森林再生活動により、チンパンジーやゴールデンモンキーなどの絶滅危惧種の生息地を復活させています。草原や湿地帯を含む生態系全体の回復にも力を入れ、幅広い野生生物を守っています。

経済:植林とエコツーリズムの雇用を創出し、地域経済を活性化(SDG 8)
地域の人々は持続可能な土地管理手法のトレーニングを受け、関連する職業に従事しています。これは地元コミュニティに長期的な経済的利益をもたらします。またエコツーリズムの取り組みにより、世界中から観光客が訪れ、地域に収入がもたらされます。

気候 :森林が炭素吸収源として機能し、温暖化の緩和に貢献(SDG13)
復元された森林は炭素吸収源として機能します。大量の二酸化炭素を吸収することで温暖化を緩和し、さらに森林の再生は地域の気候を安定させ、この地域で多発している地滑りや洪水のリスクを軽減させます。

日本から世界へ 「宮脇の森」

植物学者・宮脇昭氏(横浜国立大学名誉教授 1928-2021年没)が率いた日本の森林再生への革新的なアプローチ、いわゆる「宮脇方式」は都市部の植林を一変させました。在来種を密植したミニ森林である「宮脇方式」の森は、日本各地、そして世界でもそのメソッドが踏襲され、都市環境を再生しています。

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おぉたむすねィく探検隊, CC BY-SA 2.5, via Wikimedia Commons

具体的なインパクト: 4ヘクタールの敷地に80種類の在来種、40,000本を植樹

環境:気候変動対策に大きく貢献(SDG13)
宮脇方式の森は従来の植林地の10倍の速さで成長し、30倍のCO2を吸収し、気候変動対策(SDG13)に大きく貢献します。この、急速に成長する森は、自然林を模倣した、密で層状の生態系を作り出し、都市の生物の多様性と回復力を高めてくれます。

コミュニティ: 緑地の恩恵を受け、心身の健康を向上(SDGs 3)
森林は天然のエアコンとして機能し、都市のヒートアイランド現象を軽減します。こうした緑地が近くにあることで、屋外での活動が促され、都市住民の心身共に健康的なライフスタイルが育まれます。

生物多様性: 多様な植物種が地域の野生動物を支え、強固な生態系を育む(SDGs 15)
横浜では在来植物の再導入により、都市から姿を消した多くの鳥類や昆虫類が復活し、地域の生物多様性を豊かにしています。※横浜国立大学の名誉教授だった宮脇氏は、本学のキャンパス敷地内に自然にごく近い森林環境を作ることに成功しました。その他、湘南国際村では市民と企業と行政が一緒に行う協働参加型の森づくり「めぐりの森」の指導にあたり、現在も神奈川県のコア事業となっています。

コミュニティ:森林・環境維持活動への参加により社会的な絆が強まる(SDG11)
コミュニティ全体で植林や森林の維持に取り組むことで、社会的な絆が強まり、環境に対する意識が高まります。学校や地元団体が植林活動に頻繁に参加し、若い世代に生物多様性と環境を管理することの重要性を教えています。

アーバン・コネクション  都市と植樹の関係

都会で暮らす人々にとって、植樹はどこか遠くの出来事のように思われ、身近に感じることは少ないかもしれません。しかし、都市という環境だからこそ、その恩恵は目に見える形で現れます。
実際に地域の植樹活動に参加すると、多くのメリットがあります。

個人の健康:
緑に触れることでストレスが軽減され、より健康的なライフスタイルを送ることが可能になります。また、樹木は日陰を作り出し、暑さを軽減するばかりでなく汚染物質を濾過し、空気の質が改善。都市をより住みやすくしてくれます。

コミュニティ:
植樹活動に参加することで、帰属意識と連帯責任が育まれます。地域の植樹イベントは人々を結びつけ、社会的な絆を生み出し、協力の精神と共通意識を持つことに繋がります。

環境の改善:
都市の樹木は暑さを和らげ、雨水を管理し、都市の美観を高めてくれます。ヒートアイランド現象を緩和し、雨水の流出を食い止め、温暖化に対する都市全体の回復力を高めることで、都市計画において重要な役割を果たしています。

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おわりに『植林活動』に参加しませんか?

このように、植林は前向きな変化をもたらす、非常に意義のある活動です。たとえ1本の樹木でも、その恩恵を今日そして未来の世代まで、すべての人が享受することができるのです。
この記事を読んだ少しでも多くの方が、世界的な森林再生活動の支援に興味を持ち、実際に地元の植林活動に参加し、目に見える変化を実感できる事を願っています。

『植林活動』を体験できる施設・団体のご紹介

緑・自然・環境のボランティア | 地球緑化センター (n-gec.org)
未経験の方から本格的にやってみたい方まで、幅広くボランティアの方を募集。
海外での植林活動も

あなたにできること|Present Tree
植樹イベントを定期的に開催、有料にはなりますが、自然の中で貴重な体験が可能

東京の農林水産総合ウェブサイト とうきょうの恵みTOKYO GROWN
東京都で行われる様々な自然に関する情報やイベントを定期的に更新
過去には植林体験の募集や農業体験も

元記事はこちら

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ニューロマジックでは、4つのパートにまとめた「SDGsマストの事業環境に適応するための基本ステップ」のパート1(30ページ)を無料で公開しています。SDGsの概要を改めて整理し、ビジネスにおける重要性や手法をまとめたガイドブックです。

その他資料も無料で公開しています
公開資料一覧: https://landing.neuromagic.com/sx#downloads

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ニューロマジック(Neuromagic)SXグループ

サステナビリティの転換期にある今、ニューロマジックのSX(サステナビリティ・トランスフォメーション)グループは、サービスデザインとリサーチの専門知識を活かしてSXへの第一歩を支援いたします。私たちは、持続的かつサステナブルな影響力を生み出すために、リサーチ、目標設定、パートナーシップの促進、戦略の共創を行います。

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サストモは、未来に関心を持つすべての人へ、サステナビリティに関するニュースやアイデアを届けるプロジェクトです。メディア、ビジネス、テクノロジーなどを通じて、だれかの声を社会の力に変えていきます。

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