エシカル評価サイト「Shift C」が提案するサステナブルなワードローブ

ファッションブランドのエシカル度を測る「エシカル評価」を知っていますか?エシカルとは「倫理的」「道徳的」という意味で、つまり「人や生物、社会、環境に配慮すること」です。私たちにとって身近なファッションブランドのエシカル度を知ることができるのが、世界最大級のエシカル評価機関「Good On You」と連携して運営している「Shift C」です。今回は「Shift C」を運営する株式会社UPDATERの浦田庸子さんと、サステナビリティに関する記事も執筆しているスタイリストの木村舞子さんにお話を伺い、エシカルファッションについて考えます。
エシカル度を考慮してファッションを選ぶ
── 「Shift C」とはどのようなものでしょうか。
浦田
「Shift C」は、ファッションのエシカル度レーティングガイドです。デザインや価格と同じように、サステナブルやエシカルを買い物の選択基準にしてほしい。そのための公正な基準を公開するべく、世界最大級の評価機関「Good On You」と連携し、2023年12月に日本でローンチしたのが「Shift C」です。
「Shift C」では、ファッションブランドのエシカル度を「地球」「人間」「動物」に分類して5段階で評価しています。環境負荷の低いものがいい、働いている人の人権がきちんと守られていてほしい、動物を傷つけるものは使いたくないなど、それぞれの価値観に合った納得のいく選択や買い物ができるよう情報を公開しています。アイテムなどのカテゴリやこだわりなどで絞り込み検索もできるので実用的なんですよ。

「Shift C」の評価システム
- オーストラリアで設立したエシカルファッション評価機関「Good On You」のレーティングシステムを活用
- 「地球」「人間」「動物」の3軸を5段階で評価
- ブランドの公開情報に基づき、一律の評価軸で集計・検証
- 最大1,000の詳細な項目からファッションブランドのエシカル度を公開

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── 「Shift C」を運営する浦田さんと、スタイリストとして撮影現場でファッションの実情を日々感じ取っている木村さん。お二人がサステナブルに興味を持ったきっかけは何でしょうか?
浦田
雑誌「ELLE japon」の編集者として仕事をする中で、2015年に地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が結ばれたのをきっかけに、欧米のファッション業界でエシカルやサステナブルが掲げられるようになりました。ファッションと環境問題の結びつきについて調べるうちに、ファッションが多くの人や環境の犠牲の上で成り立っているのではないかというリスクに気づき、ハッとしたんです。私のワードローブ(クローゼット)は、誰かの涙によって埋まっていないだろうか?そこから、ファッションのサステナビリティについて意識するようになりました。
これまで編集者としても「Good On You」を活用しており、その日本版「Shift C」がローンチするという話を聞き、運営母体である株式会社UPDATERに入社しました。

木村
私はコロナ禍で家にいる時間が増え、ファッションのサステナビリティについて考えるようになりました。その頃ヨーロッパのファッション業界では、サステナビリティを取り上げている雑誌やWebメディアが増えてきていたんです。ですが日本ではまだまだ具体性を持ってサステナビリティを取り上げている媒体が少ない。そこで、かねてよりお付き合いのあったWebメディアで連載を始めました。ショッピングバッグなどサステナブルなアイテムの紹介から、最近では食に関することや気候マーチへの参加など、日々の生活とサステナビリティをつなげるような企画を執筆し続けています。
その後「Shift C」でも連載(※1)を開始し、サステナブルな取り組みをおこなう国内生産のブランドを訪ねています。その中で驚いたのが、江戸時代から続く問屋制度の影響でいまだに生産者にとってフェアな取引になっていない場合もあるということ。私は日本のものづくりに誇りを持っていた分、そうした労働環境があると知りショックでした。それからはブランドの生産過程について以前よりも気にするようになりましたね。

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── 「Shift C」がローンチしてから約1年の間で、ユーザーからはどのような反応が寄せられましたか。
浦田
「サステナブルファッションに興味があって、こういうサイトに出合いたかった!私だけで終わらせず、友達や家族にもすすめたい」という声や「いつか自分のブランドを立ち上げたいので、Shift Cで高評価が取れるようなブランドを目指して頑張ります」というような嬉しい声もいただいています。
木村
私も普段自分が着ているブランドが、サステナブル分野においてどのような立ち位置にあるかを調べるのによく使っています。

浦田
世界では「Good On You」の評価基準をもとに、サステナブルなアイテムをソートして購入できるECサイトがあったり、サステナブルなショッピングモールがつくられていたり、消費者やブランドの間で日本よりもシステムが浸透しています。
現在「Shift C」に掲載している日本のブランドの中で、5段階中3番目「ここから」以上の高評価ブランドは全体の25%ほど。評価はだれでもアクセスできるブランドの公開情報をもとにおこなわれています。

しかしこの評価だけがすべてではありません。例えば、洋服の素材が気になる方は「リサイクル由来」「ヴィーガン」などにフィルターをかけて検索をすると、そこに力を入れているブランドが分かるんですよ。すべての軸において、サステナビリティを追求するのはすごく難しいことです。まずは自分が興味のある分野を軸に、普段の買い物の選択肢を広げるのに役に立つといいなと思っています。

また、「Shift C」はこれまで、ラグジュアリーブランドから小規模なブランドまで、世界の5,000以上のブランドを評価しています。常に新しいブランドを加えていますが、もし追加してほしいブランドがあればお問合せフォームからお送りください。
── ZOZOTOWNユーザーがサステナブルにファッションを楽しむためのメッセージをお願いします。
木村
欧米では洋服のデザインと同じように、サステナビリティを一つのストーリーとして見ている方が多いように感じます。例えば、あるアイテムが劣悪な労働環境で環境問題を無視しながらつくられていると公開されていれば、それを選ぶ人は少ないと思うんです。ただその透明性が隠されているため、実情に気づかないまま買ってしまう人はすごく多い。そこでもう一歩だけ考えて買い物をするために、ベストではなくても自分の中の評価基準を設けることが大切です。そうした評価を確認するのに「Shift C」は便利ですよね。
浦田
まずは買い物をするときに、そのブランドを「Shift C」で検索してみてください。ブランドの立場やストーリーを知ることができます。評価はさまざまですが「私に似合うし、着て楽しいから、確実に長く使うので買う」「この機能が必要だから買う」など、自分なりのサステナブルなお買い物ルールを見つけてほしいです。さらに、サステナブルな選択肢が増えるよう消費者も声をあげていってほしいと思います。「Shift C」にはブランドへ応援メッセージを送れる機能もあるので、ぜひ使ってみてください。

「Shift C」高評価のファッションブランド
スタイリストの木村さんがおすすめする、ZOZOTOWNで購入できるファッションブランドを紹介します。
Nudie Jeans
素材にオーガニックコットンを使用し、リペアやリメイクにも対応するジーンズブランド。サステナブルブランドとして、生産工程や背景にも注力しています。
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Nudie Jeans
デニムパンツ
¥36,300
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Nudie Jeans
デニムジャケット
¥49,500
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Nudie Jeans
デニムパンツ
¥23,100
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Nudie Jeans
ニット/セーター
¥47,300
elove by zozo
VEJA
発足時からサステナブル、エシカル基準でのものづくりを徹底し、多種多様なデザインが魅力。素材には、フェアトレードによるオーガニックコットンや天然ラバー、ペットボトル再生の生地などを使っています。
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VEJA
スニーカー
¥30,800
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VEJA
スニーカー
¥30,800
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VEJA
スニーカー
¥25,300
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VEJA
スニーカー
¥23,100
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Johnstons of Elgin
スコットランド最古の生地メーカーでありながら、羊毛の生産工程の審査であるRWS認証を取得。トレンドに左右されないシンプルなデザインで、長く愛用できます。
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Johnstons of Elgin
手袋
¥15,400
elove by zozo
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Johnstons of Elgin
ストール/ショール
¥86,900
elove by zozo
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Johnstons of Elgin
手袋
¥15,400
elove by zozo
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Johnstons of Elgin
ストール/ショール
¥41,800
elove by zozo
BASERANGE
オーガニックやバンブー素材を使用した、少量生産をおこなうブランド。クリエイティブを追求しながらも、自然由来の素材にこだわっています。
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BASERANGE
ニット/セーター
¥49,940
elove by zozo
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BASERANGE
ワンピース
¥21,560
elove by zozo
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BASERANGE
スカート
¥20,900
elove by zozo
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BASERANGE
Tシャツ/カットソー
¥17,270
elove by zozo
FilMelange
オーガニックコットンを積極的に使用する日本ブランド。洗濯などによる型崩れもしにくく、生地のハリ感も変わらずに長く愛用できます。
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FilMelange
Tシャツ/カットソー
¥12,100
elove by zozo
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FilMelange
Tシャツ/カットソー
¥14,300
elove by zozo
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FilMelange
Tシャツ/カットソー
¥15,840
elove by zozo
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FilMelange
Tシャツ/カットソー
¥17,600
elove by zozo
NANGA
「SOFT DOWN COACH JKT W」ではリサイクルダウンを使用。トレーサビリティにも積極的に取り組む、注目の日本ブランドです。
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NANGA
テーラードジャケット
¥28,600
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NANGA
スウェット
¥15,400
elove by zozo
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NANGA
Tシャツ/カットソー
¥8,965
elove by zozo
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NANGA
ダウンジャケット/コート
¥44,000
elove by zozo
いつも着ている洋服や大好きなブランドも、それぞれに生産背景や想いがあります。ファッションを楽しむための選択肢として、サステナビリティが広まるといいですよね。その第一歩として「Shift C」を活用してみてはいかがでしょうか。
元記事はこちら
浦田 庸子(ウラタ ヨウコ)
「Shift C」編集長。2007年よりハースト・デジタル・ジャパン「ELLE Japon」に在籍。「Shift C」のローンチにあたり2024年UPDATERに入社。サステナビリティが日本のファッションの"当たり前"になり、これからもファッションの楽しさが続くようコンテンツを発信。
木村 舞子(キムラ マイコ)
スタイリスト。北海道出身。バンタンデザイン研究所を卒業後、スタイリスト百々千晴氏に師事する。ファッションモード誌、カタログ等で幅広く活躍する。「Shift C」にて「スタイリスト・木村舞子がジャパンブランドと、サステナブルアクションを考える」を連載中。
