実は見せかけ? 増え続ける「〇〇ウォッシュ」とは

「グリーンウォッシュ」という言葉を知っていますか? これは「グリーン(=環境に配慮した)」と「ホワイトウォッシュ(=ごまかす、うわべを取り繕う)」を合わせた造語で、企業や団体が商品、サービス、活動、またそれらの表現において、実態が伴わないにもかかわらず環境に配慮しているように見せかける行動や表現のことです。今回は、グリーンウォッシュをはじめ、サステナビリティへの意識が高まる中で知っておくべき「◯◯ウォッシュ」を紹介します。
多くの誤解を生むグリーンウォッシュ
実態が伴っていないにもかかわらず、自然や環境に配慮しているように見せかけることを指す「グリーンウォッシュ」。近年、消費者のサステナビリティ意識の高まりから、「天然由来」「エコ」といった言葉は衣料から食品まで様々な商品で使用されています。

これらの表示や企業のメッセージに触れることで、消費者は環境保全への関心を増々高めていますが、欧州委員会が2020年におこなった調査では、環境保護に関する商品表記等の53%が「曖昧、誤解を招く、根拠がない」で、40%には「裏付けとなる証拠がない」ということが分かりました(※1)。欧州理事会は、2024年にグリーンウォッシュを禁止する指令案を採択し(※2)、消費者が製品を購入する際に適切な情報を得た上で判断できるようにすることを目的に、消費者に誤解を招く表現を禁止しました。現在、日本にはグリーンウォッシュの規制はないものの、注意喚起やガイドラインの整備が進んでいます。
グリーンウォッシュの事例は、イギリスの飲食店がプラスチック製ストローをリサイクル可能な紙製ストローに切り替えたもののリサイクルせずに廃棄していたことや、北欧のアパレルブランドが商品にリサイクル素材を使用していると打ち出すがその具体的な生産地や混紡率のデータを示さないなど、幅広い業種で見られます。

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人権やジェンダーへの配慮を装ったウォッシュも存在
グリーンウォッシュの他にも、実態が伴っていない活動を指す「◯◯ウォッシュ」が存在します。
「ピンクウォッシュ」は、同性愛者のシンボルカラー「ピンク」と「ウォッシュ」を掛け合わせた造語で、人権侵害などの不都合な事柄を隠すためにLGBTQ+を支援する姿勢を打ち出し、良い印象を与えようとアピールすることです。また、「レインボーウォッシュ」という言葉も存在し、企業がロゴや商品などにLGBTQ+のシンボルカラーである虹色を使用し、自らの利益のためにLGBTQ+のコミュニティに対する支援を装うことを指します。

「ブルーウォッシュ」の「ブルー」は、貧困地域や障がい者などへ人道支援をおこなう国連の旗、そして国連環境計画のロゴの色です。
ブルーウォッシュとは、それに「ウォッシュ」を掛け合わせた言葉で、企業や団体がイメージアップのためだけにサステナビリティに貢献しているとアピールすることを指します。始まりは1999年に発足した国連グローバル・コンパクトというイニシアチブで、「人権や労働権の遵守など、10の原則を守る企業が国連のパートナー企業として国連環境計画の青いロゴを出版物や広告に使用できる」としたところ、7,000を超える企業から申請が殺到。それぞれの企業の取り組みが厳しく調査されることもなかったため、企業イメージ改善のためのブルーウォッシュにあたるのではないかと批判の声が上がりました(※3)。

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ZOZOTOWNのアイテムを紹介
サステナビリティに関連した認証を取得しているなど、環境配慮の裏付けとなるデータを公開しているブランドの一部アイテムを紹介します。
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ワンピース
¥30,800
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Tシャツ/カットソー
¥9,350
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ボディバッグ/ウエストポーチ
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スニーカー
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スニーカー
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グリーンウォッシュをはじめとする「◯◯ウォッシュ」は、近年、社会的関心が高まっている問題です。ブランドイメージの向上などを目的に、取り組みの一部を強調したり、実態以上にサステナブルに見せようとする表現が使われるケースがあり、それらが「ウォッシュ」となってしまう可能性があります。消費者がその情報を正しいものだと信じ、知らないうちに環境負荷の高い商品やサービスを選択してしまうリスクがあります。一部の国ではグリーンウォッシュへの規制が進みつつありますが、世界的にはまだ十分な対策が講じられているとはいえません。だからこそ、私たち消費者には、企業の主張や表示を鵜呑みにせず、「その情報に根拠があるか」「信頼できる認証があるか」などを確認しながらものを選ぶ姿勢が求められています。自身で調べ、判断したうえで商品やサービスを選び、購入することは、単なる消費行動にとどまらず、消費者としての意思表示のひとつとなります。
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