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7割が50代男性社員というチームのマネージャーに。こんなとき、どうする?

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amadank / PIXTA(ピクスタ)

リーダーとして働く女性たちが
実際に体験した、
コミュニケーションや人間関係の課題と
それに対するアクションの
ケーススタディ。

同じような課題を抱える人のヒントになれば、
という思いで届けていきます。

部下の7割が50代の男性社員。自分より10歳以上年上の男性社員たちのマネジメントに奮闘するカヨさんは、どのような工夫をしてきたのでしょうか。年齢を重ねた社員に対してどうアプローチすればいいのか? 人間関係で問題が起こったときの対処法は? カヨさんの経験談を紹介します。

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50代の男性社員も「褒めてほしい」と思っている

ある日の会議中、とある50代の男性社員がはっきりと言いました。「もっと褒めてほしい」と。その瞬間、一瞬耳を疑いました。私自身、50代ともなると「できて当然だろう」と思い、褒めることをしていなかったからです。

でも、それは私の勝手な思い込みでした。しかも、年齢を重ねると褒められる機会が減るもの。余計にそう思っていたのかもしれません。基本に立ち返れば「褒めること」や「承認すること」は、部下に対して「あなたにちゃんと興味を持っています」と示すこと。信頼関係を築く上では大切な要素だと再認識しました。

部下にとって、上司が「自分を理解し、頼れる存在である」と感じてもらえなければ、認めてもらえません。私の場合、部下の7割が自分より10歳以上年上の男性社員です。過去に50代の部下をマネジメントした経験があったものの、まだまだ学ぶべき点がたくさんありました。

誰が正しいかではなく、何が正しいか。物事を俯瞰するように

そんな私が着任当初、最初に行ったのは彼らの「見極め」です。

具体的には「この人は相談に乗ってくれそう」「この人は厳しく管理した方が良さそう」という人物像や、「AさんはBさんの言うことなら素直に聞く」といった力関係などを把握。そして、まずは味方になってくれそうな人を引き込むことから始めました
そのために、着任早々実施したのは1対1の面談。性格診断を活用してパーソナリティを理解したり、将来の希望を確認したりしました。時にはその希望を叶えるために私にできることを提案しながら、「役に立つ人間だ」ということをアピール。これも私なりのマネジメント術のひとつです。面談は今でも月に1回、1時間程度、全メンバーと行っています。

ただ、どんなに信頼関係を築こうとしても、問題は必ず出てきます。マネジメントの悩みの中心にあるのは、常に人間関係です。私自身、感情的になってしまうことがあり、「この人の言っていることを受け入れられない」とイライラしたり、「どうしようもない」と呆れたり、その人に引きずられることもよくあります。そんなとき、必ず思い出すのが、過去に上司からもらったアドバイスです。

「誰が正しいのかではなく、何が正しいのかを一歩引いて見ろ」

その人が気に障るとか、なぜこんなことを言うんだろう?と考えるのではなく、発言の内容が正しいかどうかを冷静に判断すること。部下とのやり取りで感情的になりそうなときは、一度立ち止まって、全体を見渡すようにしています。もちろん簡単ではありませんが、感情が高ぶったときは、トレーニングをしたり、趣味の写経や英会話レッスンを通じて、強制的に気持ちをリセットしています。

私が目指すのはカリスマ型ではなく、伴走型リーダー

ちなみに、私はもともと「論理的な思考の持ち主」だと思われがちですが、実は真逆です。現場で年上の部下を動かすためには「なぜそれをやる必要があるのか」を論理的に説明しなければ納得してもらえないことが多く、意識的に身につけたものです。しかも現場で学ぶのでは追いつかず、ビジネススクールに2年間通い徹底的に学びました。

その裏返しなのか「根拠を説明しなくとも人が動く」、そんなカリスマ性を持つリーダーには憧れます。前任のマネージャーはそんなタイプで、みんなを引っ張っていく人でした。

ただ、私は部下たちと一緒に走りながら、彼らが自ら成長する姿を見守りサポートする方が得意です。振り返ると、自分が目指すべきは「カリスマ型リーダー」というより、「伴走型リーダー」だと考えるようになりました。

50代のベテラン社員が「なるほど」と気づきを得たり、ネガティブだった若手社員が前向きに変わっていく姿を見るとリーダーとしてのやりがいを感じます。憧れと自分に合ったリーダー像は別。まだまだ学ぶことは多いですが、自分なりのやり方で部下たちをサポートし続けたいと考えています。

元記事はこちら

F30

F30プロジェクト

「2030年、もう"女性活躍"とは言わせない」を合言葉に、私たちは組織の女性ミドルマネジメントが抱える「課題」と「ストーリー」を記事化し、彼女たちやそれに続く人たちが、ときに一緒に泣いて怒って笑って、元気が出る発信をnoteでしています。日本や世界の働く女性の現状を知り、多くの方に周知するため、専門家や企業への取材も行っています。

  • イラストレーション 高橋由季

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