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生産量の4割が廃棄! 食品ロスに挑む ー後編ー 個人・ひとり一人の取り組みが大きな力に

ニューロマジック

「食品ロス」は環境への意識が高まりつつある現代でも世界中で大きな課題です。

今回の記事では前編と後編に分けて、新年のお祝いごとや集まりの多いシーズンでも食品ロスを最小限に抑える、サステナブルな取り組みの数々を取り上げます。前半は企業や政府の取り組み、後半では個人ひとりひとりが行動にうつせる、具体的なアクションを紹介します。

~おさらい~ まずは、食品廃棄の現状を知ることから

WWF(世界自然保護基金)とイギリスの大手小売スーパー「TESCO(テスコ)」が2021年に発表した報告書「DRIVEN TO WASTE」(※1)によると、世界で栽培、生産された全食品の約40パーセントに当たる25億トンの食品が年間で廃棄されていることが分かりました。食品ロスの主な指標とされる国連食糧農業機関が2011年に発表した年間約13億トンの約2倍にも当たります。また食品ロスはごみとして廃棄されるため、焼却処理する際に温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)が大量に排出されます。世界で年間に排出される二酸化炭素のうちの10パーセントを食品廃棄物が占めると言われ、これはアメリカとヨーロッパで自動車が1年間に排出する量のほぼ2倍に相当します。食品ロスは、地球温暖化による気候変動の一因にもなっているのです。

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個人 ひとり一人の取り組みが大きな力に

グローバル企業や政府が大規模な変革の舞台を整える一方で、私たち「個人」もまたフードロスに対抗するために重要な役割を果たすことができます。

食品ロスという言葉を聞いた際、「事業者による大量生産・大量廃棄」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし2021年に国連から出された「UNEP Food Waste Index Report 2021」(※2)によると、実際には、家庭で発生するロスが最も多い、という衝撃的なデータがあります。世界の食品ロスの排出源は「家庭」からが61%、外食産業の26%、小売業の13%と続いています。日本においても、2020年度の国内年間食品ロス量は522万トンと2014年の推計開始以来最少となったものの、内訳はやはり家庭から発生する「家庭系」が約247万トンと、小売店や飲食店から生じる「事業系」の約275万トンに迫る量です。(農林水産省データより)

このことからも「個人」が食品ロス削減に与えられるインパクトの大きさがお分かりいただけるのではないでしょうか。

無駄のない買い物に始まり、賢い献立の立て方、賞味期限の把握、FIFO(先入れ先出し)貯蔵法、適切な保存方法、残りもののクリエイティブな再利用、堆肥化、ポーションコントロール(食事量の管理)、余剰食品の寄付、生鮮食品の冷凍保存、家族で食品ロスについて考える機会をもつ、、、など、これらの実践的なヒントはすべて、ひとりひとりの食品ロスの削減に貢献します。

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今日からできる10の実践的なヒント

個人の食品ロスの削減は、ひとりひとりの力が集まればとても大きなアクションになります。ここでは、10の実践的なヒントを紹介します。

1,食事の計画を立て、買い物リストを作る
食料品店に行く前に、その週の食事の計画を立て、詳細な買い物リストを作成しましょう。こうすることで、必要なものだけを買うことができ、衝動買いをして最終的には食品廃棄を生み出してしまう、などの可能性を削減できます。

2,賞味期限と消費期限を理解する
食品のラベル表示をよく理解しましょう。「賞味期限」は、その食品が最もおいしく食べられる期限、品質が保たれる期限を示します。未開封かつ包装等に書かれている保存方法を守っている場合「賞味期限」を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなる&安全性に問題がある、というわけではありません。「消費期限」は安全に食べられる期限を示し、 消費期限を超えると安全ではなくなる可能性があり、食べることはおすすめできません。これらの表示を正しく理解することで、不必要な食品ロスを防ぐことができます。

3,先入れ先出し(FIFO)
食品を保管する際は、先入れ先出し方式を実践しましょう。新しい食料品を冷蔵庫やパントリーの奥に置き、古いものを手前に持ってくる。こうすることで、賞味期限/消費期限が切れる前に古いものを使うことができます。

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4,適切な保存
野菜や果物は、鮮度を長持ちさせるために適切に保存しましょう。冷蔵庫で保存するのが最適なものもあれば、室温で保存すべきものもあります。食材の鮮度を保つために密閉容器を使い、野菜や果物を長持ちさせるための保存袋や容器への投資も検討しましょう。

5,残り物をクリエイティブに
残り物をクリエイティブに使いましょう。昨日の夕食を今日の昼食にしたり、余った食材を新しいレシピに取り入れたりしましょう。廃棄物を減らすだけでなく、食事のバリエーションを増やすことができます。
冷蔵庫の食材の在庫や賞味期限を把握し、「今あるもの」だけで作れるレシピを提案してくれるアプリなどもあります。

6,堆肥化する
生ゴミ用のコンポストシステムを設置しましょう。野菜の皮、コーヒーかす、卵の殻などを堆肥化することで、埋立地に出るゴミの量を減らすことができます。堆肥は庭や鉢植えの土を豊かにするために使うこともできます。
現在は手軽でスタイリッシュなコンポストもたくさんあります。堆肥で野菜作りまでできたら楽しいですね!

7,分量のコントロール
食事を作るときは、分量に気をつけましょう。まずは少なめの分量から始め、まだお腹が空いている人はおかわりできるようにする。こうすることで、盛り付けすぎを防ぎ、食べ残しを最小限に抑えることができます。分量をコントロールしやすいお皿なども販売されています。

8,余った食品を寄付する
余った生鮮食料品は、地元のフードバンクや地域団体に寄付しましょう。缶詰や乾物などの保存食を受け付けているところも多く、必要としている人を助け、食品廃棄を防ぐことができます。暮らしている自治体×フードバンクで検索してみましょう。

9,生ものを冷凍する
賞味期限前に使用しきれない生鮮食品がある場合は冷凍しましょう。肉、パン、果物など、多くの食品は冷凍することで賞味期限を延ばすことができます。

10,家族との協力
食品廃棄を減らすという取り組みを家族と共有しましょう。無駄を最小限に抑えることの重要性を知らせ、全員をその取り組みに巻き込みましょう。食事の好みや分量についてオープンなコミュニケーションをとり、無駄のないキッチンを目指しましょう。

これらのヒントを少しづつでも毎日の習慣に取り入れることで、食品ロスを減らし、大きなインパクトを与えることができます。

結論

企業、政府、イノベーションを起こす技術、そして何より私たちひとりひとりの一致団結した努力が世界を「よりサステナブルで食品ロスのない未来」へと導きます。食品ロスにむきあうことは単純に「もったいない」を減らすだけではなく、環境への責任を果たす&示す機会にもなるのですから。

元記事 こちら

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