個人の年間CO2排出が少ない県は栃木県、長野県、愛媛県! 全国一斉デカボmyスコア調査2025結果発表

移動手段、ショッピング、住居、食事の4つの観点から、12問の簡単な質問に答えるだけで個人の1年間のCO2排出量を計測できるツール「デカボmyスコア」を使用した47都道府県別調査を実施しました。
- "デカボ"な都道府県、TOP3 は栃木県、長野県、愛媛県。
CO₂排出抑制のカギは、地域内で完結する車中心の生活スタイルや農産物の自給率。 - 個人あたりの年間 CO2 排出量が最も多い県は東京都。
フライト回数の多い都道府県は、全国的に見ても一人あたりの CO2 排出量が高い傾向に。 - 地域別では、九州エリアで大分県、北陸エリアで新潟県などが最も"デカボ"な県に。
自治体として初めて「デカボ my スコア」を導入した愛媛県は四国エリアで 1 位。 - 日照時間が全国的に長い茨城県や山梨県は再生可能電力の使用が多い。
単身世帯の割合が高い東京都や北海道は、新品の衣服の購入数が多いという結果に。
最も"デカボ"な県は栃木県。個人あたりの年間CO2排出量が最も多い県は東京都に。
デカボmyスコアを使用した初の47都道府県別調査では、個人あたりの年間CO2排出量が少ない"デカボ*1"な都道府県は、第1位 栃木県(4.32トン)、第2位 長野県(4.37トン)、第3位 愛媛県(4.40トン)となりました。一方で、個人あたりの年間CO2排出量が多かった都道府県は、第1位 東京都(7.28トン)、第2位 福島県(6.97トン)、第3位 神奈川県(6.94トン)という結果になりました。


フライト回数の多い都道府県は、全国的に見ても一人あたりのCO2排出量が高い傾向が見られます。特に東京都、福島県、神奈川県は、フライト由来の排出量でも全国上位に位置しています。この背景には、旅行やビジネスにおいて空港を気軽に利用できる立地の良さがあると考えられます。
一方で、排出量が少ない県では、車の所有率が比較的高い一方、フライト回数は少ない傾向があります。これは、車を主な移動手段として生活に取り入れていることに加え、車の所有によって生活圏が地域内で完結しやすくなるため、長距離移動の必要性が低くなり、飛行機の利用が抑えられていることが要因と考えられます。また、都市圏へのアクセスの良さも、飛行機以外の交通手段の選択を後押ししている可能性があります。
地域内での生活完結がカギ。四国エリアでは愛媛県、九州エリアでは大分県が最も"デカボ"な県に。




地域別に調査結果を見てみると、北海道&東北エリアでは岩手県(4.52トン)、関東エリアでは栃木県(4.32トン)、東海エリアでは愛知県(5.28トン)、北陸エリアでは新潟県(4.52トン)、近畿エリアでは滋賀県(5.35トン)、中国エリアでは鳥取県(4.69トン)、四国エリアでは愛媛県(4.40トン)、九州&沖縄エリアでは大分県(4.75トン)が個人あたりの年間CO2排出量が少ない"デカボ"な都道府県という結果になりました。




四国・九州地方は、県民一人あたりのCO₂排出量が総じて低いことが特徴です。各県の都市とその周辺地域が比較的独立しており、車社会である一方、地域内で生活が完結するライフスタイルが確立されている点が要因の一つと考えられます。加えて、農産物の自給率が高く、食生活におけるCO₂排出も抑制されている点も、排出量の低さに寄与しています。
一方で、関東・近畿地方では、県ごとにCO₂排出量のばらつきが大きく見られます。大都市圏では公共交通機関が発達しており、車の保有率は比較的低いものの、所得水準の高さに伴い、出張や旅行などでの飛行機利用や、引っ越しに伴う家電の買い替えが多く、排出量が増加する傾向があります。
これに対して都市郊外では、定住傾向が強く、地場の農産物の消費も多いため、地域内で完結する車中心の生活スタイルが広く浸透しています。さらに、郊外にはゴルフ場や温泉などのアクティブな娯楽施設が多く存在し、都市部から訪れる人も多い一方で、地元住民にとっては日常生活の延長として利用されているのが特徴です。このように、飛行機などを用いた遠距離の非日常的レジャーではなく、地域内での楽しみ方が主流であることも、排出量抑制に繋がっていると考えられます。
晴れが味方! 再エネ活用が進む"陽当たり良好"県

再生可能電力の使用が多い都道府県を見てみると、日照時間が全国的に長い茨城県や山梨県、そして晴天日数が全国トップクラスの宮崎県など、太陽光発電に適した気候の地域が上位にランクインしました。こうした地域では、自宅や周辺地域に太陽光発電機を設置するのに適した土地柄から、再生可能エネルギーの利用率も高いのではないかと考えられます。気候風土がエコな暮らしを後押ししているといえるかもしれません。
自分らしい一着を選ぶ ファッショナブルな都道府県

新品の衣服の購入数が多い都道府県には、単身世帯の割合が高い傾向が見られました。家族と暮らしていない分、お下がりをもらう機会が少なく、新しく服を購入する機会が多いのではないかと考えられます。さらに、自分で服を選ぶ機会が多くなり、そのぶんファッションに対する関心やこだわりも自然と高まることも購入数が多い要因ではないでしょうか。
愛媛県(四国エリアで1位/全体で3位)における脱炭素への取り組み
愛媛県は、「2050年脱炭素社会の実現」を愛媛県地球温暖化対策実行計画の目標として掲げており、2024年6月より自治体として初めて「デカボmyスコア」を導入し、県民の脱炭素アクションを促進する「デカボえひめプロジェクト」を実施しています。本プロジェクトでは、県民主体のアクションを活性化していくことを目的に、県内の様々な企画やイベントを通じて生活者に「デカボmyスコア」を体験いただき、日々の暮らしの中で行動に踏み出すきっかけを提供しています。
デカボえひめプロジェクトHP
Earth hacks 代表取締役社長 CEO 関根澄人の見解
この度、Earth hacksは全国47都道府県における「デカボmyスコア」の一斉調査を初めて実施・発表いたしました。
本調査では、地域ごとの皆さま一人ひとりの年間CO2排出量を可視化するとともに、都道府県ごとのライフスタイルや排出傾向の違いを見える化することで、地元らしさを感じながら、脱炭素をより身近に考え、取り組むきっかけとなることを目指しています。地域ならではの暮らし方や、そこに根付く"地元愛"は、無理なく続けられる脱炭素アクションにとって、欠かせない鍵となります。
Earth hacksは、「脱炭素のために何かを我慢する」のではなく、「自分らしい、素敵な暮らし」の延長線上で、気づけば脱炭素に貢献している――そんな未来を目指しています。
今後も全国の皆さまとともに、無理なく・楽しく・笑顔あふれる脱炭素社会の実現に向けて、新たな価値を共創してまいります。
□ウェブサイト:
https://earthhacks.jp/
□Instagram:
@earthhacks.jp

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