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子どもに意見させるとワガママに育つって本当?「世界子どもの日」をきっかけに子どもの権利について考えよう

    

サストモ編集部

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11月20日は「世界子どもの日」です。この日が存在すること、そしてどんな意味を持つ日なのか、知っていますか?

「世界子どもの日」は、世界中の子どもたちの相互理解と福祉を向上させること、またすべての子どもたちが生まれながらに持っている権利について考え、認識を高めることを目的として国連が制定した記念日です。

子どもが持つ権利については、国連で1989年に定められた「子どもの権利条約」にまとめられています。全54条に及ぶ内容は「命を守られ成長できること」「子どもにとって最もよいこと」「意見を表明し参加できること」「差別のないこと」の4原則に照らし合わせることができ、大人と同じ権利が子どもにもあるのだと認めつつ、子どもとして大人に守られる権利もあることが記されています。

世界の子どもが抱える問題ときいて、まず思い浮かぶのはアフリカなどの開発途上国の子どもたちのこと。学校教育や医療を受けられなかったり、過酷な労働に従事していたり......。こういった状況は、子どもの権利条約ができてからどのように変わっているのでしょう?

また、日本が子どもの権利条約を批准(ひじゅん)したのは1994年。その時代に子どもだった人たちは、今まさに20代後半から40代の子育て世代の中心となっています。批准から28年、日本では子どもの権利について何が改善され、そしてどんなことがいまだに課題として残っているのか気になるところです。

そこで、Yahoo! JAPAN SDGs編集部は、東京・品川にあるユニセフハウスへやってきました。

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10月にリニューアルされたばかりの展示室。今も世界の子どもが抱える問題と子どもの権利条約についての体験型展示が並ぶ

世界中で子どもたちの命と健康を守るための活動をし、子どもの権利条約の制定過程においても深く関わってきたユニセフ(国連児童基金)。

ユニセフの広報活動や政策提言活動に取り組む日本ユニセフ協会の高橋愛子さんに、子どもの権利条約ができるまでの時代背景とその後の世界の子どもたちの変化、そして日本の子どもたちの変化について伺いました。

世界中が「人権」について考えた時代の流れで、子どもの権利条約が誕生

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── まずは「世界子どもの日」と「子どもの権利条約」は、どのような時代背景から生まれたものなのか教えてください。

国連で「世界子どもの日」が制定されたのは1954年と、かなり昔のことになります。第二次世界大戦が終わった1945年に作られた国連憲章では「二度とこんな悲しい戦争をしない、そして世界すべての人には守られるべき基本的人権があるんだ」と謳われ、1948年には「世界人権宣言」も採択されました。戦後の国連への期待や人権への関心が高まっていた時期でした。そして、「この国連憲章の目的は子どもたちに共有されてこそ実現するのだ」と考えられ、子どものことを考える日をつくって世界の連帯を強めていくために、11月20日を子どもの日にしよう、となったようです。ユニセフの活動を応援する意味合いもあったようですよ。

── 11月20日に何かがあったからその日が「世界子どもの日」になったわけではなく、戦後の国際協調の流れの中から、11月20日を「世界子どもの日」にすると決めたんですね。

そのようです。世界子どもの日が制定された1954年以降、国連で子ども関連の重要な決定がされる日は11月20日になっています。その後、1959年11月20日に採択されたのが「子どもの権利宣言」です。これは今の条約にもあるような、教育を受ける権利、健康に成長する権利、遊ぶ権利、保護される権利などが盛り込まれた10項目くらいのものでした。

ただ、宣言というのは象徴としての意味はあるけれど、各国がそれを守らなければいけない法的拘束力はないんです。そこで、宣言を法的拘束力のある条約にしましょうと、1978年にポーランドから子どもの権利条約の草案が出されました。当初は1年くらいで条約にできそうだという話もあったようなのですが、各国やユニセフ、専門家などが参加した議論にすごく時間がかかって、11年後の1989年11月20日にようやく、「子どもの権利条約」ができたのです。

── 子どもの権利宣言よりも、より詳しい内容になっているんですね。

当時、人種差別をなくすための条約や、女性の人権条約などもでき、人権を守る仕組みを整える流れがあった中で、子どものための人権条約もつくらないといけないという発想になっていったのだと思います。

条約にしたことで締約国には守らなければいけない義務が生じます。条約として明文化することにより、本当に子どもが守られていく。子どもは生まれる場所を選べないですが、どこの国に生まれても同じ権利はあるんだから、各国がそれぞれこれをきちんと守ってくださいという意味合いがあります。

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出典:日本ユニセフ協会ウェブサイト「子どもの権利を大切にする教育(CRE)」

子どもの権利条約には、基本的な考え方として、このような4つの原則があります。そして、18歳未満のすべての子どもが大人と同じく権利を持つ主体であると認めています。全部で54条のうち、40条までの部分に権利の内容が詳しく定められています。

「子どもの権利条約」第1~40条一覧(日本ユニセフ協会抄訳)
※画像をクリックするとPDFをダウンロードできます(1.1MB)


出典:子どもの権利条約 日本ユニセフ協会抄訳

すべての子どもには権利がある

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── 子どもの権利条約ができた当時、世界の子どもたちが抱えていた問題はどのようなものがあったのでしょうか?

条文のそれぞれのタイトルを見てもらうと、それが見えてくると思います。開発途上国では、病気や栄養不良で多くの子どもが命を落とし、教育を受けられていない子どももたくさんいました。今でもなくなっていませんが、子どもが児童兵として戦争にまきこまれることも問題になっていました。先進国でも問題になっていた虐待や性的搾取など、暴力の問題は何条にもわたって書かれています。

また、すべての子どもに関わることのほかに、「難民の子ども」「少数民族の子ども」「障がいのある子ども」など、特に配慮が必要な子どもたちの問題も盛り込まれていますよね。

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── 条約の内容は、1959年時の「子どもの権利宣言」からどのように変わったのでしょうか?

権利宣言は10条までで、ここまで細かく規定されていなかったんです。そして何より大きいのが、権利宣言においては今の権利条約から比較すると「子どもは守る対象」という思想が強く、権利の主体という側面があまり強調されていませんでしたが、権利条約では「子どもは生まれながらに権利を持っている、それは理由なく奪われてはいけないんだ」という認識にしっかり変わっているところです。「子どもにも大人と同じ権利がある」ことを認めつつ、暴力からの保護など、「子どもならではの守られなければいけない権利もある」、その両方が入っています。

子どもの権利条約は世界の子どもたちをどう変えた?

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── 今、批准している国はどのくらいあるんですか?

196ヶ国です。2015年に、ソマリアと南スーダンが批准して、ほぼ世界すべての国と地域が入ったことになります。世界で一番多くの国が批准している人権条約です。

── すごい! 批准を促進するためにユニセフが行ったことはありますか?

ユニセフは世界ほぼすべての国にオフィスがあるので、各国でキャンペーンをしたり、政府に対して働きかけをしました。条約の制定にはユニセフも関わっていますし、各国が批准してくれないとはじまらないので。

── 権利条約ができて、今日までの間で、どれだけ世界の子どもの権利や環境は変わってきたのでしょうか?

たとえば、「小学校に通えない子どもの数」は約半分になりました。さらに、1989年の時点では、学校に行けていないのは女の子の方がはるかに多かったのですが、30年でほぼ男女の差はなくなりました。

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また、すべての子どもには「生きて健康に育つ権利がある」というところで、ユニセフが大切にしている指標が「5歳未満児の死亡率」です。子どもが健康に5歳の誕生日を迎えられるかは、予防接種がきちんと行われているか、栄養状態はどうか、きれいな水や衛生的な環境があるかなど、いろいろな影響が現れる数字だからです。

条約ができて以降、5歳の誕生日を迎えることなく亡くなってしまう子どもの数は半分以下に減りました。1990年時点では、年間1250万人の5歳未満の子どもが命を落としていましたが、今では年間520万人にまで減少しています。

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出典:ユニセフ「Levels and Trends in Child Mortality 2019」

日本でも子どものための法律が整備されてきた

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── 日本では、いつ「子どもの権利条約」が批准されたのですか?

1994年でした。批准にあたって法律を整備しないと整合性がとれない場合もあるのですが、このとき日本は新たに法律をつくることなく批准しています。ただ、条約には入ったものの、子どもの権利に関する理解は一般的にはあまり広がっていかなかった印象です。

── 正直今でも、日本では11月20日が世界子どもの日だということが、浸透していないような気がしています。

日本では、すでに5月5日が子どもの日と定められていましたし、ほかの国でも違う日に子どもの日を定めている国はあって、みんな同じ日に合わせなければならないわけではありません。それぞれの国の子どもの日ももちろん大切にしつつ、世界共通の「子どもの日」として11月20日があるのです。

── そうだったんですね。5月5日は端午の節句のイメージが強くて、子どもの権利について考えていたかと問われたら、そうではない人も少なくないように思います。

だから、両方あってもいいですよね。これから11月20日が子どもの権利について考える日になればいいと思っています。

法律でいえば、日本でも「こども基本法」が2023年4月から施行されます。これは日本で初めて子どもの権利条約の4原則を明記した法律です。批准して30年弱でようやく条約の精神に基づく包括的な法律ができた。これは大きな変化です。

4原則のひとつに「子どもの意見表明」があります。子どもに関することを決めるときには、子どもの意見を聞きましょうということが定められている。こども家庭庁設立に向けた動きの中でも、子どもの声を聞くことが重要な柱になっているので、これから本格的に動き出していきそうだなと期待しています。

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条約に謳われている「子どもの意見を表す権利」が、日本でも重視されつつあるという

── 日本では、これまで子どもにまつわる包括的な法律はなかったということですか?

包括的なものはなかったのですが、条約を批准してから個別の取り組みは進んできたんですよ。たとえば、いじめや虐待についての法律もできましたし、学校での体罰禁止が進められたり、家庭での体罰が禁止されたりしています。

── たしかに。筆者はアラフォー世代ですが、小学生のころは先生から叩かれたり、バケツを持って廊下に立たされたりすることが当たり前の光景でしたが、中学生になると「先生が生徒に体罰をしてはいけない」と話題になり、先生を茶化していたのを思い出しました。

変化が実感できたのはすごいですね。当たり前だったものの感覚が変わっていくことって、とても時間かかると思いますけど、体罰については今では「あってはいけないこと」というのが一般的になっていますよね。これはとてもいい変化ですね。

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── こういった法律の制定や改正にあたってユニセフが動いた事例などはあるのでしょうか?

1999年に成立した児童ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)には、ユニセフが大きく関わっています。

日本は、「児童ポルノを輸出する国になっている」と国際会議で批判されたのですが、当時は法律がなくて取り締まることができませんでした。そこで日本ユニセフ協会は、いろんな団体に働きかけて一緒にキャンペーンをしたり、紙の署名を集めて国会に提出して法律をつくってもらえるように動きました。

法律ができたあとも、法改正を働きかけました。児童ポルノは、「単純所持の禁止」といって持っているだけで違法というのが国際スタンダードだったのですが、日本はつくる側への言及だけだったのです。所持する側も罪に問えるよう法改正されたのは2014年。長らく訴えかけてようやく実現したものでした。その他、民法の「懲戒権」をなくすことや、それこそ今回の「こども基本法」についても、働きかけをしてきました。

「子どもに権利を認めるとワガママになる」という根強い誤解

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── 子どもの権利条約に批准して以降、個別の問題に対して法整備が進んできた日本ですが、未だ残る課題やユニセフが取り組んでいきたいことはありますか?

こども基本法に基づいて、そしてこども家庭庁もできることですし、残る課題についての取り組みが進んでいくことにとても期待しています。そのためにユニセフとしてできることは、いろいろあると思います。

ひとつは子どもの権利についての理解を促進していくこと。一部かもしれませんが、「子どもは親の付属物」、「子どものことは大人が決める」という発想が、割と根強く、今でも残っているように感じます。これは日本に限ったことではないですが、子どもに権利を認めるとワガママになるという考え方ですね。

でも、そこに大きな誤解があります。子どもには意見を言う権利はあるけれど、大人は全部聞き入れなければいけないとは、子どもの権利条約のどこにも書いていない。子どもは意見を言うことができて、大人はそれを年齢相応に十分に考慮しなくてはならないと書いてある。大人の立場が「脅かされる」ものではないんです。

── 家族のあり方を否定する話ではないと。

そうです。条約も「子どもの養育はまず親の責任」としているなど、家族の存在をとても大切にしています。ただ、大人が全部を決めるのではなくて、子どももひとつの人格として尊厳を持って扱われるべきということです。この点、誤解されていると感じることがよくあるので、理解がもっと広まるといいなと思います。

「日本の子どもは不幸せ」は本当? 現代の子どもが直面する新たな問題

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── 時代の変化とともに生まれている、あるいは加速している、新しい問題などはありますか?

子どもに対するいろいろな形の暴力が減らないこと。そして、子どもの自殺が増えていて、子どもの死亡原因の1位になっています。ほかの大人世代の自殺は減ってきているのに、子どもの自殺はあまり減っておらず、むしろコロナ期間中に増えてしまいました。すごく大きな問題です。

── 背景にはどんなことがあるのでしょうか?

いろいろな原因があるとは思いますが、子どもがSOSを発することができなかったり、まわりに相談できるところがなかったり、そもそもそういう体制になっていないことは課題ですよね。暴力をどうしたらなくせるのか、子どもたちからネット上で意見を集めたことがありますが、もっと相談しやすくしてほしい、という声はたくさんありました。

また、子どもが被害にあってしまうような最近の事件には、インターネットが関わっていることも多いですね。もちろんインターネットは、良い方向に使えば、さまざまな情報にアクセスしたり発信したりできるツールではありますが、使い方をあやまると、子どもにとって危険な出会いの場になったり、よくない情報に触れる場になってしまったりもする。

── 親の目が届きにくいというのもありそうです。

そうですね。お友だちとの交流も見えにくく、ネット上だと子どもだと思って会話していたら悪意を持っている大人だったということもあります。子どもたちは、そういった危険なものともつながれてしまう時代にいるんです。

もうひとつの問題としては、格差ですね。日本は世界的に見るとそんなに格差が大きい国ではないという印象があるかもしれませんが、そんなことはないんです。これはユニセフが2017年にSDGsをテーマに先進国の状況をまとめたレポートなのですが、格差の項目のランキングを見ると、日本は23番目で下のほうになります。

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出典:ユニセフ「レポートカード14 未来を築く:先進国の子どもたちとSDGs」

── このグラフは何を指標にしているのですか?

子どもがいる世帯の所得格差に関する2つの指標と、家庭の経済状況等が子どもの学力に与える影響、合わせて3つの指標で調べ、算出したものです。子どもにお金をかけられる家とそうでない家庭の差がある。大学まで無料という国もある一方で、特に日本は教育費を家庭が負担しなければいけない部分が大きいという政策の差も表れていますね。

もうひとつ、世間を驚かせたのが、ユニセフが2020年に発表した子どもの幸福度(ウェルビーイング)についてのレポートです。子どもの精神的幸福度の各国比較で日本が下から2番目の37位だったということで、ショッキングな結果としてニュースなどで頻繁に取り上げられました。

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出典:ユニセフ「レポートカード16 子どもたちに影響する世界

── 下から2番目。これはどのような調査でのランキングなのでしょうか?

自殺率と、子どもに「今の生活にどれくらい満足していますか?」という質問に0から10で数値付けしてもらった主観的な回答、この2つの指標から出したものです。一方で、同じレポート内で身体的健康についても比較しました。これは子どもの死亡率と過体重・肥満の指標から算出しているのですが、こちらは日本がトップだったのです。

精神的幸福度がワースト2位という順位は、こども基本法に向けた国会での議論を含め、さまざまなところで取り上げられました。子どものことをみんながそれぞれの場所で考えるきっかけになったことは、とても意味があったと思います。ただ順位が独り歩きしてしまった面もあるので、今後は、もう少し指標を増やすなどして丁寧に見ていかなければいけないとも思っています。満足度などの質問の答え方については文化的な違いもありますし。

子どものうちから「子どもの権利条約」に触れてほしい

── 未だ残り続ける問題、また、子どものメンタルヘルス、インターネットとの関わりなど新しく出てくる問題について、私たち大人はどのように向き合っていけばいいのでしょうか?

時代が変化しても、「子どもの権利条約」がベースになると考えています。条約ができて30年以上が経ちますが、今読んでもまったく色褪せない。これが守られていくことが、子どもの幸せは守られることにつながっていくと思っています。今後も新たな問題が生まれたとしても、その都度これに立ち返って、国や、そして一人ひとりが考えていければいいと思います。

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今、学校で条約を題材に使ってもらう活動も進めています。条約に定められた権利のうち「大切だと思う権利はどれ?」「守られていると思う権利、いないと思う権利はどれ?」と聞いてみて、子どもの権利条約を柱にした学級目標をつくってもらう取り組みを実践しました。子どもたちはそのような活動を通じて伝えるとすごく素直に納得してくれます。「自分たちにも権利があるとわかってうれしかった」「安心した」、という感想が聞けたりもしています。

── 子どものうちから条約について学ぶ機会を持つことで、自分が権利の主体だと自覚できたりといい作用が生まれているんですね。

子どもたちに伝えることは、権利があるとは、ワガママになっていいということではありませんということ。なぜなら自分だけではなくて、お友だちにも先生にもみんなに同じ権利がある。それを学ぶことで、お互いを尊重することにつながっていくのです。

日本より先に、学校現場で子どもの権利を尊重する活動に取り組んでいる国からは、子どもたちが子どもの権利を学ぶことで、「同級生はみな親切で互いに助けあえる」という声や、「ありのままの自分でいいんだと思える」と自己肯定感が高まっている様子も報告されています。

── 自分が大切な存在だと気づくことは、ゆくゆくは自殺が減るとか、そういった動きにもつながっていくかもしれませんね。

ひとりひとりが生まれながらに権利を持った大切な存在であると知るのは、遠回りかもしれないけれど、自殺の予防にもつながると思います。なので、学校だけではなく、家庭でも早いうちから伝えていけたらいいですね。一部の自治体では子どもの権利条約を母子手帳に載せる取り組みもはじまっています。子どもたちにも、子どもを取り巻く大人たちにも、もっと条約について理解してもらえたらうれしいです。

子どもは未来の社会の基盤。みんなで子どもの権利について考えよう

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世界の子どもたちの幸福のためにつくられた、世界子どもの日と子どもの権利条約。

ひとつひとつ書いてあることを読めば、どれも当たり前だと思うようなものばかりですが、それをまとめあげ明文化したことで、世界中の子どもたちを取り巻く環境に与えた影響はとても大きいものであることがわかりました。

筆者が身を持って感じた変化でいえば、学校での体罰については、この日話を聞くまで「自分も体罰を経験してきた世代だった」ことを忘れていたほどに、現在では受け入れられない感覚に変わっています。

時間はかかるかもしれないけれど、法律を変え実行すれば、世間の意識は変えていける。

かつて子どもだった私たちも大人になり、次の世代の子どもたちを守り育てる世代になりました。情報がたくさんあり、自分が育った時代との違いを肌身で感じるなかで、今の子どもたちに何を伝えていくのが正解か悩んでしまうこともあります。そんな中で「そんなときはいつでも『子どもの権利条約』に立ち返って考えればいい」という高橋さんの言葉はとても心強いものでした。

11月20日をきっかけに、すべての大人たちが子どもの権利について考え、子どもの意見に耳を傾けられるようになるといいなと思います。私たちがそうだったように、子どもは確実に大人になり、ともに社会をつくる仲間になる。子どもが健やかに育つことができる社会は、未来の自分たちの財産にもなるはずです。

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ユニセフハウスの展示の一角。すべての子どもに○○を。あなたなら何を入れますか?

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