依存症を乗り越える『レジリエンス』

依存症には、アルコール依存、薬物依存など物質的な依存から、ギャンブル依存、ゲーム依存、買い物依存など行動に関する依存まで、さまざまな種類が存在する。厚生労働省によると、依存症に共通することは、「何かしらの問題が起きているのにもかかわらず、ほどほどにできない、やめられない状態に陥っている」という点だ。症状の程度に差こそあるものの、依存症からの回復を目指すには当事者だけでなくその家族、さらに医療・カウンセリング・福祉など多くの支援者のサポートを必要とする。
「依存症は回復できる病気です」81歳・アルコール依存症経験者の執念がつくる"脱強制"の回復プログラム
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「依存症は、回復できる病気です。」引用の記事でそう語るのは、NPO法人・横浜依存症回復擁護ネットワーク(以下Y-ARAN)の理事長を務める城間さん(81)。Y-ARANが運営するリカバリーコミュニティセンターYRCでは、リカバリーサポーターを通じて依存症当事者に、園芸や瞑想、アートなど多種多様なプログラムを提供する。リカバリーサポーターは依存症や人生の困難を克服した『レジリエンス』の経験を持つ人が多い。彼らがYRCに関わる目的は、「回復方法の多様さを社会に知らせ、『依存症は本当に回復するんだ』という意識を社会に浸透させたい」からだという。
依存症という困難を乗り越えるための『レジリエンス』が発揮されるきっかけは、当事者によってそれぞれ異なる。他者とのかかわりで信頼が生まれたとき、自分が安心できる居場所を見つけたとき、不安な気持ちを本音で話せる仲間の存在、本人の「治したい」という強い想い。回復のための支援や治療は個別性があり、多種多様だと知ることが回復への第一歩となる。
依存症は、条件さえ揃えば誰もが陥る可能性のある病気であり、本人の心の弱さや性格に起因しない。依存症という困難に直面した際は、自分だけで解決しようとせず周囲に相談し、早期に専門機関に相談、多岐にわたる回復方法の中から自身に合った適切な支援と治療を見つけていくことが重要である。それが自身の『レジリエンス』を引き出し、依存症からの回復への道となる。
寄稿
レジリエントライフプロジェクト

RESILIENT LIFE PROJECT
レジリエントライフプロジェクトは、自然災害のリスクをはじめ、社会に起因するリスク、そして個人に起因するリスクに至るまで、あらゆるリスクが生み出す困難を乗り越えるための「レジリエンス」を高め、より豊かな生活の実現を目指すための、官民が連携した取り組みです。
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