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【写真で見る】サンゴが見られなくなるのはなぜ?

Gyoppy! 編集部

サンゴ礁の写真
西表島のサンゴ礁(写真:山野博哉)

沖縄の海などで見られる美しいサンゴ礁が、数十年後には見られなくなるかもしれない、と言われています。なぜなのでしょうか? サンゴを残すために、私たちにできることはあるのでしょうか?

サンゴの産卵の様子
サンゴの産卵の様子(写真:琉球大学・中村崇准教授)

この写真は、サンゴの産卵の様子です。植物だと思われがちなサンゴですが、実は動物なのです。しかし、自分で動くことはできないため生息環境の悪化により、大きなダメージを受けます。国際自然保護連合(IUCN)などの調査によると、世界のサンゴの3分の1の種類で、絶滅の可能性が高まっているとされています。

石垣島の健全なサンゴの写真
石垣島の健全なサンゴ(写真:山野博哉)
八重干瀬の白化サンゴの写真
八重干瀬の白化サンゴ(写真:日本全国みんなでつくるサンゴマップ)

高水温による白化現象は、サンゴを死滅させる原因の一つです。サンゴは、褐虫藻と呼ばれる藻類に光合成生産物を供給してもらいながら生きています。ところが地球温暖化などの影響により高水温が続くと、褐虫藻が失われます。するとサンゴは骨格が透けて見え、白くなります。これが白化現象です。白化した状態が長く続くと、サンゴは褐虫藻から栄養を受け取ることができなくなり、死んでしまいます。

赤土の流出写真
赤土の流出(写真:沖縄県衛生環境研究所)

環境が回復すれば、サンゴは褐虫藻を再び獲得して健全な状態に戻ります。ところが海への表土流出などにより水質が汚染されていると、サンゴの回復力が低下してしまいます。沖縄では、もともとの土壌の性質に、農業や開発事業など人の手が加わることによって、河川から海へ赤土が流出。サンゴにストレスを与えたり、サンゴの幼生が定着するのを、海底に積もった赤土が妨げたりするなどしているため、対策が進められています。

オニヒトデの食害の写真
オニヒトデの食害(写真:琉球大学・中村崇准教授)

サンゴを食べるオニヒトデの大量発生も、サンゴを死滅させる原因となっています。オニヒトデが大量発生するのは、海へ流れ込む有機物が以前より増えているからだと考えられています。有機物の増加は、生活排水、畜産排水や化学肥料等が川を通して海へ流れ込むことが、原因の一つと見られます。

サンゴ礁の写真
(写真:琉球大学・中村崇准教授)

サンゴが減ると、サンゴ礁にすむ生物を食べる生物も姿を消してしまうことになり、生態系バランスが崩れてしまいます。そして、人間にとっては漁業資源、観光資源が失われてしまうことになります。

白化、赤土流出、オニヒトデの大量発生のいずれも、人間の活動にも原因があります。温暖化を防ぐために、電気の無駄遣いをしない、街で捨てたゴミも海へ流れ着きますので、水質汚染を防ぐためにゴミを捨てないなど、サンゴを守るために、一人ひとりができることから、始めませんか。

監修/国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター長 山野 博哉

国立環境研究所
https://www.nies.go.jp/index.html(外部サイト)

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